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2007年02月05日

府立医科大学と附属病院、府立大学の「法人化」に反対する

京滋私大教連  2007. 1. 25(第 118 号)

府立医科大学と附属病院、府立大学の「法人化」に反対する
―府立の大学と附属病院の充実を求める運動の一層の飛躍を―

冨田 茂信                
(京都府職員労働組合執行委員・同府立医科大学支部書記次長)


京都市上京区にある京都府立医科大学と左京区にある京都府立大学は、それぞれ一〇〇年を超える歴史を有するとともに、京都府が設置と運営に責任を持つ府立の大学として発展してきた。この間、府民に親しまれる大学・附属病院として、多数の有能な人材を府内外に輩出するとともに、教育研究と医療を通じて府民福祉にも大きな役割を発揮してきたところである。
 
京都府は、〇六年七月に、この府立医科大学と附属病院および府立大学を京都府から切り離し、二〇〇八年度から公立大学法人化する方針を明らかにした。いうまでもなく独立行政法人制度は、住民サービスを担う組織を行政から切り離し、経営効率最優先の運営を行うことによって行政の負担を減らすことを目的とした制度である。既に法人化された国立大学では、運営のために行政が支出する交付金が減らされることに伴い、大学での教育研究や附属病院の運営に重大な支障が生じていることが報告されている。また、学費のいっそうの引き上げにより、国民の教育を受ける権利を圧迫している。
 
 この間、府職労の府立医科大学支部と府立大学支部をはじめ、各個人や団体により、府民の教育・研究・医療と教職員の身分と労働条件を守るとりくみがすすめられてきた。医大支部では付近住民アンケート、府立大学学生自治会では全学生アンケートにとりくんだ。問題点などについて、懇談会やシンポジウムを開催するとともに、一一月には全戸への新聞折り込みビラを実施し、「法人化」方針の撤回を求める署名にとりくんだ。府民、両大学卒業生、団体、個人からこの三ヶ月間で九二〇〇筆の署名が寄せられ、一二月四日知事宛に提出をした。
 
 私たちが当初から指摘をしている、「京都府が拙速に両大学を法人化するのでなく、法人化方針を撤回して全ての情報を府民と両大学の関係者に公開し、合意と納得のもとに大学の改革を進める」ことの重要性が一層明らかになっている。また、両大学と附属病院が真に府民に貢献できるよう、京都府の責任で教育・研究、医療の充実をはかることを幅広い団体・個人の参加で府民の側から求めていく運動が重要になってきている。こうした運動を前進させるため、〇六年末に「府立医科大学と府立大学の法人化に反対し府立の大学と附属病院の充実を求める府民の会」(仮称)が結成された。
 
 京都府の責任で教育・研究、医療の充実をはかる事を求める運動の一層の飛躍が今求められている。

投稿者 管理者 : 2007年02月05日 00:05

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