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2005年01月02日

平安女学院大守山キャンパスでの就学権確認訴訟、1月31日口頭弁論 原告川戸佳代さんの「陳述書」

平安女学院大学守山キャンパスの存続を守ろうの会ホームページ
 ∟●6月14日文部科学省に陳情(平女学院大学統合についての上申書)
 ∟●文部科学大臣宛署名提出時の要望書(2004年8月4日)
 ∟●守山市議会宛「平安女学院大学びわ湖守山キャンパスの統合を差し止める訴訟のお願い書」(2004年年9月15日
 ∟●理事長宛「要望書」(2004年年10月8日配達記録付内容証明郵便)
 ∟●12月議会発言のお願い(2004年年11月22日)
 ∟●守山キャンパスで学ぶ権利等の確認を求める訴訟(確認訴訟)「陳述書」(2004年12月6日)

12月24日弁論準備でしたが、被告側は主張を小出しして時間の引き延ばしをしています。4月当初からの被告側の不誠実な対応は全く変わらぬようです。既成事実を主張するなど、怒りを通り越して飽きれるばかりです。教育機関である学校のやるべきことではないと思います。正々堂々と主義主張をして頂たいと思います。 
 署名の一部を書証として裁判所へ提出致しました。(一般を代表して守山市長及び在学生355名分)
たくさんのご署名をありがとうございます。
次回は1月31日(月)11時から大津地方裁判所にて行われます。

2004年12月6日

陳述書

川戸 佳代

                                                  
 私は、滋賀県守山市にある平安女学院大学現代文化学部(びわ湖守山キャンパス)に在籍する3回生の学生で、学生だけでつくる「平安女学院大学守山キャンパスの存続を守ろうの会」の代表です(以下、「守ろうの会」と省略させて頂きます)。私たち学生が、来年度から守山キャンパスの閉鎖(高槻キャンパスへの移転)の事実を知ったのは、今年4月の新聞報道(「びわ湖守山キャンパス、高槻に統合 平安女学院が検討」京都新聞)によってでした。私は、この新聞報道から来年はどうなるのかという不安な日々を送ってきました。翌5月の学院広報誌からは、びわ湖守山キャンパスの名が削除され、まだ在学しているのに私たちの存在が消されたという事で、精神的に大きな打撃を受けました。「ヒドイ」と言って泣いている学生もいました。その後、5月中旬になってようやく教員によって説明会が行われました。要望を理事に届けるという説明を受けたので、私たちは統合の白紙撤回や経営に関わった全理事からの説明を強く求めましたが、その後返答はありませんでした。授業料等を支払い、教育サービスを受けている学生の要求を聞き入れようとしないこのような学院側の一方的な態度に憤りを感じ、結成したのが「守ろうの会」です。

 私たち「守ろうの会」は、署名活動を中心に守山キャンパスの存続を求める活動を行ってきました。集まった署名は、守山市長・滋賀県知事・文部科学大臣に提出しました。

 私たち学生は、大学を核としたまちづくりを掲げる守山市に設置された大学に入学しました。私たち学生にとっては、学校選択時に大学がどこに位置するかという事が、全国に数多くある大学の中から入学志望大学を選ぶ際に重要な点となります。私が通う守山キャンパスには、家から大学までが近く自転車やバイクで通えるからといって入学した学生だけでなく、遠くても守山という静かな環境の中で学びたいという思いを持って入学した学生もいます。私自身、守山市という環境に建つ新しい校舎が気に入って入学しました。大学案内のパンフレットには「Lake Side Campus Lake Biwaの風を感じて」というフレーズがありました。私は、このパンフレットを見てオープンキャンパスに行きました。そして、施設を案内され、新しくきれいなキャンパスにおいて少人数制クラスで学べるという説明を受けたのち、入試の申し込みを勧められたので親同席の下に申し込みをしました。

 私は、去る10月に友達と高槻キャンパスを見学しに行きました。高槻駅の改札を出てから駅構内にエレベーターは無く、駅からキャンパスまでは満員のバスに20分程乗らなければなりません。高槻キャンパスは坂や階段が多くエレベーターも少ないため大変疲れました。高槻キャンパスは守山キャンパスに比べてとても狭くて窮屈でした。又、設備も古かったです。高槻キャンパスの学生は「私らが守山に行きたいわ、きれいやし」と話していました。

 学院側は少子化を統合の理由のひとつとしています。しかし、「守ろうの会」が県知事に署名を提出した際、政策調整部長は、「滋賀県は人口が2030年まで増加する事が見込まれている、そんな中での今回の統合という事で大変驚いている」とおっしゃっていました。私は、学院経営の失敗をなぜ学生が被らねばならないのか解りません。学院側は、私たち学生が出て行った後も市民大学講座をするとしていますが、学園機能を残せるのなら、なぜ在学生を追い出すのか明らかにして頂きたいと思います。

 このような疑問を抱き、守山キャンパスの存続を求めているのは私だけではありません。例えば、私が在籍する国際コミュニケーション学科3回生のうち、9割の学生(休学、留学を除く)が署名をしています。学生会会長も署名しています。そして、私たち学生と大きな関わりをもってきた守山市民のうち約9千人、守山市全人口の13パーセントの方が署名しています(署名総数は約2万筆)。この中には、守山市長及び守山市議会議員、市役所職員の署名も含まれています。「守ろうの会」が署名活動を行う中で聞いた多くの市民の声は、

・できたばっかりやのに、急な話で学生さんがかわいそうやな。
・1年生は統合を知ってて入学したの?
・卒業生1回しかだしてはらへんのにな。もったいないな

というものでした。このように多くの方々が、私たちの活動に協力して下さっています。

 私は在学生が卒業するまでは、入学前に学院側から示されたような、守山キャンパスでの教育環境(学校環境)が守られるべきであると思い、存続を求める活動を約半年間にわたり行ってきました。しかし、学院側の学生を無視した決定によって着々と統合の準備が進められていくことから、最後の救済のよりどころとして裁判所にご判断いただきたく提訴致しました。

大津地方裁判所 御中


[参考]
自由法曹団、大学のリストラ、私学「補助金の食い逃げ」でたった五年でのキャンパス移転に対し「就学権確認訴訟」で対抗
[守山キャンパス問題新聞報道一覧]
補助金25億円 返還求める 平安女学院統合問題で山田守山市長(京都新聞2004/12/14)
平安女学院大統合問題で理事長(朝日新聞2004/12/14)
平安女学院大キャンパス統合問題(朝日新聞2004/12/11)
補助金8億円の返還求める考えを表明 平女大移転問題で知事(京都新聞2004/12/09)
平安女学院大学の学生が就学権確認求め訴訟きょう初公判(びわこ放送2004/12/06)
大学側が請求棄却求める答弁書 平女大移転めぐる訴訟の口頭弁論(2004/12/06)
平安女学院大学びわ湖守山キャンパスについて(県議会報告、一般質問・答弁2004/12)
【訴訟】平安女学院大キャンパス統合問題 在校生が提訴「経営ミス」(毎日新聞2004/10/29)
■平安女学院大守山統合、経営企画委を設置(京都新聞(2004/10/28)
■平安女学院大 理事長「高槻へ統合」 校舎移転提訴受け(大阪読売新聞2004/10/28)
平安女学院山岡理事長ら提訴受け会見(びわ湖放送2004/10/27)
キャンパス統合は予定通り 平安女学院大、大学側の見解(京都新聞2004/10/27)
卒業まで守山での授業求める 平女学院大生有志が提訴 大津地裁(京都新聞2004/10/27)
キャンパス統合やめて 平安女学院大学生が提訴(共同通信2004/10/26)
仮処分申請の考えなし 平安女学院大統合で守山市長(京都新聞2004/09/24
守山キャンパス守ろうと文科相に署名 平安女学院大統合で学生(京都新聞2004/08/04)
守山キャンパスの存続求める 平安女学院大生ら県に署名簿提出(京都新聞2004/07/23)
高槻に統合反対の1万人署名 守山・平女大 市長に提出(京都新聞2004/07/12)
滋賀県内の大学事情 地域との連携促進がカギ[現場から記者リポート](毎日新聞6/26)
■びわ湖守山キャンパス存続を要請 守山市長 平女統合で(京都新聞5/26)
■平安女学院大・校舎統合問題 保護者「守山存続を」説明会で意見質問相次ぐ(毎日新聞5/17)
■守山キャンパスを高槻に統合へ 平女学院 学生数確保できず(京都新聞5/16)
■平安女学院との「念書」認める 守山市「街づくり還元の趣旨」(京都新聞5/13)
■平安女学院が守山市に8億円提供の念書 市議会に報告なし(京都新聞5/13)
守山市長、統合案に再考求め 平安女学院大の統合案で(京都新聞2004/04/12)
びわ湖守山キャンパス、高槻に統合 平安女学院が検討(京都新聞2004/04/10)

学院側から一方的な決定の説明を受けて以来、私たちは学生だけで守山キャンパスの存続を求める活動を行ってきました。

 私たち学生が、来年度から守山キャンパスの閉鎖(高槻キャンパスへの移転)の事実を知ったのは、平成16年4月10日付の新聞記事(「びわ湖守山キャンパス、高槻に 統合平安女学院が検討」京都新聞 )によってでした。1年生は4月3日に入学してから1週間後に統合を知るというものです。新聞報道をきっかけに、学院側は、ようやく説明会を行いましたが、その説明会の内容は一方的で、「統合を決定した」というものでした。私が受けた説明会(5月18日)の中で、私たち学生は統合の白紙撤回、理事長及び学院経営に関わった全理事による学生に対しての謝罪及び説明を強く求めましたが、その後要望に対する返答はありませんでした。やっと7月30日になって理事による説明会が行われましたが、理事長、学長及び学院経営に関わった全ての方々の出席はありませんでした。この説明会でも、私たち学生が納得のいく説明は行われませんでした。さらに、8月31日に予定されていた理事長と学生会と私を含む学生(6名)での話し合いの機会は、理事長の都合で急きょ取り止めになりました。私は、このような幾度にもわたる学院側の不誠実な態度に対し強い憤りを感じています。学院側は少子化のために学生が集まらないとして、経営困難を統合の理由としていますが、「守ろうの会」が県知事に守山キャンパスの存続を求める署名を提出した際に、政策調整部長は、「滋賀県は人口が2030年まで増加する事が見込まれている、そんな中での今回の統合という事で大変驚いている」とおっしゃっていました。このような入学者を確保できなかったという学院経営の失敗を、なぜ学生が被らなければいけないのか私には解りません。             
 私たち学生は、大学を核としたまちづくりを掲げる守山市にある平安女学院大学びわ湖守山キャンパスに入学しました。当時の入学募集案内には地域と共生する大学の重要性が謡われ、守山市が紹介されていました。私たち学生にとっては、学校選択時に大学がどこに位置するかという事が、全国に数多くある大学の中から入学志望する大学を選ぶ際に重要な点となります。私が通うびわ湖守山キャンパスには、家から大学までの通学距離が近く自転車やバイクで通えるからといって入学した学生だけでなく、通学距離が遠くても守山という静かな環境の中で学びたいという思いを持って入学した学生もいます。私自身、守山市という環境に建つ新しい校舎が気に入って、平安女学院大学びわ湖守山キャンパスに入学しました。しかし私たち学生は、来年度からびわ湖守山キャンパスから1時間以上もかかる大阪府内のキャンパスに通学させられることになります。キャンパスが移転するということは、通学時間が長くなる事によって学生の生活環境が侵害されることでもあります。学院側は、統合後も学園機能を残す、としていますが、学園機能を残せるのなら、在学生が卒業するまでなぜ現在の学部の機能を、びわ湖守山キャンパスに残せないのか、統合をなぜ無理に強行しようとするのか私たちは疑問に思います。                         
 私たち学生有志でつくる「守ろうの会」は、平安女学院大学びわ湖守山キャンパスの現在の学園機能の存続を強く望み、5月18日から現在まで、守山市内で署名活動を行ってきました。そして署名して下さった方々のご協力によって、7月12日に守山市長山田亘宏様に署名簿(11,111名分)を、そして7月23日には滋賀県知事國松善次様宛に署名簿(12,816名分)を提出しました。さらに、8月4日に文部科学大臣宛に署名簿(14,582名分、そのうち署名した在学生は、今年度卒業する4年生を除くと8割以上です)を提出する事ができました。                                    
 びわ湖守山キャンパスと大きな関わりをもってきた守山市民の署名数は、現時点において約9千筆(これは守山市全人口の13パーセント)です。この中には、守山市長及び市役所職員の署名も含まれています。 
 「守ろうの会」が署名活動を行う中で聞いた、多くの市民の声は      
・できたばかりなのにね、急な話で学生がかわいそうだ。まだ卒業生を1回 しか出していないのにね                            
・一年生は統合を知ってて入学したの?                     
・せっかく建ったばかりの綺麗な学校やのに、もう経営困難で潰れるの?  共学にしたら良いのと違うか?                
・今建設中の、守山高校の前からの道、もったいないね。           
・卒業生1回しか出てはらへんのにな。もったいないな。            
というものでした。このように多くの方々が、私たちの大学の事に関心を持ち、現在のびわ湖守山キャンパスの学園機能の存続を求める署名をして下さって、私たちは大変嬉しく思っています。


投稿者 管理者 : 2005年01月02日 01:50

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