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2005年08月25日

平安女学院大守山キャンパス補助金返還問題、気前のよい守山市議会

平安女学院の補助金肩代わり 6億円の予算案可決 守山市議会(朝日新聞)
市議会が予算可決(読売新聞)
平安女学院大移転問題、補助金 守山市が県に返還へ 土地など市に譲渡(毎日新聞)
返還の6億円、守山市が代わりに支払い 平安女学院大の補助金問題(京都新聞)
臨時議会で補正予算案が可決 守山 補助金相当額盛り込む(京都新聞)
平安女学院補助金返還問題で県・市・大学が協定締結 (琵琶湖放送8月24日)

 今日、上記リンクのように新聞各紙が,平安女学院大守山キャンパス建設のために滋賀県が交付した補助金返還問題について,守山市が平安女学院に代わって約6億円肩代わりすることを市議会で議決し,県と市、大学側の3者が土地、建物を市に無償譲渡する協定を結んだことを報じた。
 守山市が平安女学院大のキャンパス建設に巨額な補助金を投じる決定を行ったのは,山田亘宏・現市長の時代ではない。とはいえ,この山田市長の対応は,いかにも住民の血税というものの重みを知らなさすぎる。
 2004年4月,平安女学院理事会は守山キャンパス撤退を,守山市に事前の説明や了承を得ることなく,一方的に決定した。同市はその後撤退完了までの1年間,同学校法人から「補助金を返還する意思はない」と言われ続けた。撤退決行直前の2004年12月の守山市議会においてさえ,市長はこの問題についてこう答弁せざるを得なかった。

 「当方、私どもとの合意はもとより、明確な説明もないままに統合を既成事実化いたしまして、その準備を着々と進めておられます一方、市から受けた補助金の取り扱いについて何ら協議をしようとしない一連の行動は、まことに遺憾であります。  こうした中、先般来より学院に対して、統合についての明確な説明を求めておりましたところ、過日、学院から学生数の減少傾向、あるいは毎年度の会計収支状況を示す書類が提示されまして、統合により学院経営上の経済的効果が期待できることなど一定の説明を受けるに至りました。しかしながら、統合により経費の削減ができるとしているにもかかわりませず、引き続き別の形で大学機能を残すなど、経営上矛盾している点がございます。まだまだ納得できないところでございます。」

 「なお、過日、県議会におきまして、学生がいなくなれば補助金の返還も、との知事答弁があったところでございまして、市と同様の方針が確認できたところでございます。一方、守山キャンパスの存続を守ろうの会の代表からは、卒業までは守山キャンパスで就学する権利があることを確認する訴訟が提起されております。学生は、平安女学院大学という大学を守山という立地条件を含め選択したわけでございますから、当然、その思いが全うされることをと私としても強く願うものであります。」(平成16年第4回守山市議会定例会会議録(第2日)2004年12月14日)

 守山市は莫大な税金を出したにも拘わらず,初期に構想した地域振興上の効果も上げられず,あげくの果てに約束不履行によって返還を求めようとしても「金を返さない」と言われ続け,やっと返してもらえると思ったら,今度は立命館への無償譲渡を条件にされ,さらに今日新聞各紙が報じたように,滋賀県が補助していた8億円のうちの6億円分を平安女学院に代わって(肩代わりして)県に支払うという。そうしてやっと市の持ち物になった守山キャンパスはそのまま立命館にタダで渡す。本当に気前のいい市長と市議会である。

 朝日新聞は,今日の市議会の様子について「市議からは『法人の責任を免責して負担することには納得できない』と反対したり、反対はしないものの『不透明な部分がある』と指摘したりする声が相次いだ。」とされる。しかし,市議らの大勢は,「やむを得ない」(読売新聞)として賛成多数で可決した。上記,琵琶湖放送によれば,今回の三者調印について,平安女学院大学の事務局長は「最も良い形で解決出来たのではないかと思う。関係の皆さんに感謝します」とコメントしたという。
 「最も良い形で解決出来た」とは,一体誰にとってそうなのか。形の上で政治責任を回避できた守山市長と,滋賀県に補助金を返還しないで済んだ平安女学院当局と,タダで高校と巨額な資産価値をもつ守山キャンパスを手に入れた立命館大学の三者が利益を得ただけではないか。これらの出所はすべて市民の税金である。立命館大学はどうしても守山キャンパスが欲しければ,正当に市に金を払って購入したらいいではないか。
 自分たちさえよければそれでよい。7万人の守山市民やそこで学んでいた学生たちの想いはかれらの頭にはない。(ホームページ管理人)

投稿者 管理者 : 2005年08月25日 01:13

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