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2005年10月12日

埼玉大、脅かされる言論の自由

埼玉大学教職員組合
 ∟●脅かされる言論の自由(組合ニュース 号外)

2005 年度 号外 2005 年10 月11 日発行
組合ニュース 号外
もの言えば 唇寒し
秋の風

学長室へ出頭の業務命令。
脅かされる言論の自由!!

 ホームページ「埼玉大学ウォッチ」(以下、「ウォッチ」と略)の管理者である教養学部H助教授に、田隅学長は公印が押されている「指導」(9 月15 日付)なる文書を送付しました。さらにH助教授に対して、「指導」の根拠を説明するとの理由で、10 月11 日午後4 時に学長室に出頭するよう業務命令を発令しました。
 この「指導」なる文書によれば、(1)「ウォッチ」に掲載されている総括課長代理に関する記事には、「何の根拠もなしに管理職手当が支給されている」といった事実に反することが掲載されている。(2)「ウォッチ」を閲覧した人が文部科学省に投書した。(3)よって、「社会の人に誤解を与え本学の信用を失墜させるような事態を招いた」。以上。とはいえ、「指導」の中では具体的にどの記事のどの箇所が事実に反するのかを具体的に指摘していません。そこで、組合執行部は「ウォッチ」をじっくり精査してみました。しかしながら、どこにも総括課長代理に「何の根拠もなしに管理職手当が支給されている」と解釈できる記載がないのです。名誉教授号の社会的通念に関しても“ご造詣が深い”ことで知られている田隅学長の目ならば、眼光紙背に徹する眼力で事実に反する記述を探り出せるのかもしれません。しかし、われわれには無理でした。というわけで、みんなで精査しよう!

「埼玉大学ウォッチ」→ http://www15.plala.or.jp/saidaiwatch/

「ウォッチ」の記事中で「指導」で指摘されている、「何の根拠もなしに管理職手当が支給されている」という記載を発見できた方は、組合事務室までご連絡下さい。田隅学長に続く、第二発見者に粗品進呈(「ウォッチ」には組合HPの「リンク」からも飛べます)。

事件の経緯

事件の経緯を説明します(詳細は「ウォッチ」をご覧下さい)。
2005年4月24日 「ウォッチ」に総括課長代理の管理職手当に関する記事掲載。
時期不明 「指導」によれば「ウォッチ」を閲覧したものが文部科学省に投書。

9月15日 「指導」作成日。(「指導」全文は「ウォッチ」をご参照下さい)
9月27日 教養学部長からH助教授に「指導」が渡される。
9月28日 「指導」の具体的根拠を文書で開示することをH助教授が学長に求める。
10月3-4日 学長室で「指導」の根拠を説明したい旨、学長がH助教授に人事課長経由で連絡。
10月5-6日 H助教授が記録のために録音許可を求めるが、業務命令による呼び出しであるとして拒否される。学長は面談立会人として原理事を提案。H助教授これを了承。H助教授側も教育学部教員1名の立会いを求める。
10月7日 学長が人事課長経由で教育学部教員の立会いを拒否。

 言論の自由という大問題は言うまでもありませんが、今回の事件には早急に検証されるべき多くの問題があります。(1)「指導」とは何なのか?就業規則にも教員の採用・懲戒等に関する規程にも「指導」なる文言は登場しないので、根拠不明の文書なのです。(2)「指導」作成の経緯。学長一人の判断で作成・送付されたのか?(3)「指導」に書かれている「事実に反する」記述は存在するのか? (4)投書にもとづいて文部科学省からいかなるレスポンスがあったのか?(5)H助教授の私的なホームページ管理に関することがらについて、学長が業務命令で出頭を命ずる根拠はあるのか?(6)業務命令での出頭の際に、録音や立会いを不許可とする正当な理由はあるのか?


投稿者 管理者 : 2005年10月12日 00:09

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