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2005年12月08日

神戸大学当局の給与改定案に対する組合見解

神戸大学教職員組合
 ∟●組合ニュース第5号

神戸大学当局の給与改定案に対する組合見解

 神戸大学当局は11 月11 日、組合との団体交渉において今年度並びに来年度以降の給与改定案、退職手当規程改定案を提示した。今回提示された給与改定案は、先般出された人事院勧告、さらにこれに基づき制定されたいわゆる改正給与法の内容に準拠したもので、組合としては受け入れがたいものである。
 そもそも大学法人となり非公務員化が行われた今日、国家公務員の法体系を採用する必然性が存在しないことはいうまでもない。給与を含めた労働条件は労使対等の立場で決定されるものであり、国家公務員における給与改定の変動幅をそのままわれわれに押しつけるのは、この原則を無視したものと言わざるを得ない。
 しかも大学に対する運営費交付金は人事院勧告と連動するわけではない。大学の経営内容、経費削減努力がどのような形が行われているのか、役員給与はどうするのか、その点の情報がほぼ一切構成員に公開されないまま、今年度は0.3%、来年度には平均4.8%(一定の年齢以上の教職員は7%)の給与引き下げを行うことが提示されていることは、とうてい納得できない。「各法人における人件費等に関する情報等を職員に対し明白にした上で、今回の給与水準の公表における数値の詳細な分析を基に、各法人における人件費に関する今後の計画等を職員に説明し理解を得ることが必須。」と、文部科学省自身が述べていることからしても、このようなやり方がおかしいことは明らかである。
 今回の給与水準の改訂について、大学当局が組合との交渉の席で「構成員に対して、大学のホームページに掲載して広く告知すると共にパブリックコメントを求めることした。」との表明があった。それに対して組合は「提示された改定案を掲載しただけでは、実際に給与水準がどうなるのかについて理解が困難であるので、その点の配慮をすべきである。」と申し入れたところ、当局側のその必要性を理解し、工夫するとの返事を得た。しかし、実際に掲示されたものは、結局何の工夫もなく、さらにパブリックコメント募集の告知のタイトルも「就業規則等についてのパブリックコメントの募集について」と一見して給与改定に関わるものとわかる表記にさえなっていない。このこと一つをとっても、当局の不誠実さが目立つことは残念である。
 大学職員の給与水準が国家公務員の水準と比較して低いこと、教員についても多くの私立大学教員の給与水準と比較して低いこと。この二つの事実を前にしたとき社会一般の情勢に鑑みても引き下げは容認できない。
 さらに、人事院勧告に準拠するというならば、今年度の勤勉手当の引き上げが、何故0.05 ヵ月分ではなく、その半分となってしまうのか。この点も納得しがたい。
 来年3 月退職教職員の退職手当について、総額で500 万円の減額となるが、そのことに対する手当をする姿勢を示さないことも配慮が欠けると言わざるを得ない。
 来年度、現行の調整手当に替えて地域手当が導入されることに伴い、人事院勧告をそのまま準用したのでは、明石校園が10%から3%に、養護学校が6%から3%に引き下げられるなど、神戸大学教職員にとって大きな影響が生じる点は大問題である。
 以上のように、今回の提案は神戸大学教職員の被る不利益は相当なものになることを意味したものであるのは明らかであり、その必然性の説明もないまま、納得だけを求めようとすること自体、間違った提案内容および提案姿勢であると考える。
 組合は大学当局に対して、人事院勧告準拠という姿勢でなく、自主的な判断のもとに、大学教職員の生活を保障し働く意欲を引き出す労働条件を確立すること、将来にわたって優秀な人材を確保する環境整備を図ること、その一環として給与を教職員の納得のいくものにするよう、要求するものである。

2005年11月21日 神戸大学教職員組合中央執行委員会

投稿者 管理者 : 2005年12月08日 00:12

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