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2005年12月27日

横浜市立大、「中期目標」はどこで誰の責任で策定されたか?

大学改革日誌(永岑三千輝氏)
 ∟●最新日誌(12月26日)

12月26日 「全国国公私立大学の事件情報」(本日付)に、市大学生新聞のブログ記事(教員組合主催、学生・院生など自由参加)が掲載されている。それで、直接、学生新聞ブログ(12月23日付)にもあたってみた。

新聞記事には、私が聞いていなかった冒頭委員長挨拶などに関する情報をはじめ、一読し、吟味すべき情報が掲載されている。各報告者・各発言者の意見の内容の受け取り方も、私の受け止め方とはニュアンスの違う部分がある。

ということで、できれば、各報告者・各発言者が、正確な自分の発言意図・発言内容などを、市大新聞や教員組合に届けて、それを公開すべきであるように思う。当日、集会に参加しなかった人々でも関心を持っている人は多いであろうから。

ひとつ記憶に鮮明に残っていることとして、書き記しておけば、「中期目標は6年間変更されない」という論点である。教員側の発言のひとつで、その点が指摘された。教員サイドからすれば、まさにこれは市当局が決めて大学に示したものであり、なんともしがたいということである。これに対し、学生が「6年間変更がないなんて、絶望的」といった発言があった。この「絶望的」というのが鮮明に記憶に残っている[1]。

「中期目標」はどこで決められたか?誰の責任で策定されたか?

すくなくとも、昨年度まで存続した「教授会、評議会」(学則による大学の自治機関)の議事録を見れば分かるが、教授会、評議会では議論になったことはない。それは行政当局のマターだということで、独立行政法人化と平行して、市当局(その大学改革本部)が協力する教員を選抜して、行政当局のイニシアティヴのもとで策定したものである(だから、多くの教員には無力感、不安感が蔓延していた)。

その策定過程・策定方法における幾多の重要問題(全教員任期制問題など)のひとつとして、しかも全学生に直接影響するものとして、トッフル500点=進級基準問題がある。その肝心のことをきちんと見据えておく必要があるだろう。

「メジャーな変更」、「マイナーな変更」というのは抽象的であいまいになってしまう。大学外部の試験=トッフル500点=大学内部の進級基準問題、プラクティカル・イングリッシュ講義3コマの担当教員の単位認定権否定問題(教授会権限の否定問題)は、カリキュラム編成(学校教育法における教授会審議事項の最重要事項の一つ)にかかわる根本問題である。私の理解では、これこそは最重要の本来の教授会マターであり、教授会(評議会)審議事項であるべきだったが、それがまったく為されなかったことに問題発生の根本原因があると考える。

「6年間変更できない」ということが、具体的な問題のどこに関わってくるのかも、重大である。「トッフル500点、進級基準」は、全学生に対する制度として公表(手許には新聞記事がないが、記憶によれば、記者会見等で改革の目玉として特筆されたはず)されたが、最終局面で、変更があったかのようでもある。国際総合科学部と医学部では取り扱いが違うようでもある。こうした重要なこと(変更があったとすれば、変更する主体はどこで、誰が、どの機関が、いつ決定したのかが問題になる)が、明確な形で公開され、学生に周知されているわけではない。うわさがうわさを呼ぶ。

今後、どのようにこの問題を処理するのか(どこで、誰によって、どのように審議し、決定するのか)は、大学改革の今後のあり方にとってきわめて重要であろう。


投稿者 管理者 : 2005年12月27日 00:23

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