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2006年02月24日

大阪府立大学、学内から初の声-学生自治会 府議に嘆願書

公立大学法人 大阪府立大学 情報 (非公認)
 ∟●学内から初の声 -- 学生自治会,府議に嘆願書

学内から初の声 -- 学生自治会,府議に嘆願書

 大阪府立大学学生なかもずキャンパス学生自治会は,去る20日月曜日に府各会派をまわり,要望書を渡した模様です。
 要望書の内容は,生命環境科学部の移転にともなって,学生生活および学生活動に影響があると漠然と考えているが,大学は移転決定と報道で意思表明するなかで,この間もっとも影響を受けるであろう学生には一切説明を行っていない。このような状況で学生は大きな不安の中にあることを伝えるもののようです。
 学部学生が4回生の時点でキャンパスから分離することは,教育研究サービス環境の悪化をまねき,課外活動においても影響が大きいと考えているようです。講義や研究に関連する教育については,何も説明がないために不満が大きいようです。また,大学の運営において学生がまったく蚊帳の外に置かれている点も指摘しています。これは,ユネスコの高等教育機関のあるべき姿を示した宣言(たとえばこちら)の第10条にも符合する世界標準な主張です。
 嘆願書の詳細については,大阪府立大学内 学生自治会連合まで

大阪府立大学中百舌鳥キャンパス学生自治会
嘆願書

平成18 年2 月吉日

大阪府立大学大学院生命環境科学研究科のりんくうタウン移転に関する嘆願書

大阪府立大学中百舌鳥キャンパス学生自治会

 私たち大阪府立大学中百舌鳥キャンパス学生自治会(以下、学生自治会)は、本学の学生がより良い大学生活を送ることができるよう活動を行っている大学公認の学生団体です。今回作成致しました嘆願書は、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科(以下、院)の移転問題に関する学生への情報公開を徹底すること、また院の移転によって生じる諸問題への有効かつ具体的な対策を考案し、学生をはじめとした本学の構成員に対して提示することを求めるものです。
 このような文書を作成した背景と致しましては、院の移転によって直接的な影響を受ける本学の学生が、その移転計画に全く関与できていないことが挙げられます。大学は既に院の移転を了承しておりますが、その決定に学生の意見は全く反映されていません。更に、現状では府および大学から学生への十分な情報公開が行われておらず、また学生の意見が移転計画に取り入れられていないため、果たして院の移転は学生にとって有益なことであるのか、ひいては大学の発展に繋がるものであるのかを学生自身が判断しかねています。
 昨年、学生自治会は学生が抱く大学への要望を知るためにアンケートを実施し、質問項目の一つとして院の移転問題についての賛否を問いましたが、結果は回答数1825(本学の学生数の3 分の1 弱)のうち5 割近くの学生が「賛成でも反対でもない」というものでした。その理由として不十分な情報量を挙げる学生は非常に多く、いかに府や大学が学生への情報公開や説明を怠り、また学生を移転計画から遠ざけてきたかを表していると言えます。このように、決して本学の学生は院の移転に賛成しているわけではなく、むしろあまりの情報不足のために是非を判断することすら難しいのが現状です。確かなことは、この移転計画の内容には未だ不透明な箇所が多いため、多くの学生は院の移転が強行されることに対して不安を感じているということです。それは上記アンケートにおいて、院の移転に反対の学生数が賛成の学生数を圧倒的に上回った結果(およそ7 : 2 )にも表れています。
 また、院の移転によって生じると予想されている諸問題への具体的な対策が示されていないことも重大な懸念事項です。これらが明確に示されないまま計画が実行に移されてしまうという事態は、学生自治会として絶対に認めることができません。なお、学生が不安視している問題の多くは学部と院の分断に起因しています。具体例としては、学部が設置されている中百舌鳥キャンパスと院の移転先であるりんくうキャンパスの間を移動する際、時間的・経済的に大きな負担を負うことが挙げられます。また、学生が2 つのキャンパスに分断されることによる部活動への影響を危惧し、本学の体育会が移転問題に関する活動を検討しているなど、課外活動全般への悪影響も懸念されています。更に、学部と院の分断による連携不足は結果として教育・研究の質を低下させるのではないかという不安の声も挙がっています。その他、現状の案では明らかにされていないりんくうキャンパス内の福利厚生施設の整備、大学予算圧迫による大学全体としての教育・研究の質の低下など、学生の不安は多岐に渡ります。上記の例は学生が抱いている不安の一部ですが、府がこれらの問題点を解決するための方策を示し、また学生に対して詳細な説明を行うことは当事者の意見を尊重する意味で重要なことです。そのためには、府議会において学生の意見や事情といったものを重視した議論が交わされる必要があります。
 最後になりますが、大学運営は教員・職員・学生の三者の協力のもとで行われるべきものであると私たちは考えています。よって、その一端を担う学生が除外されている現状の移転計画が大学の発展に繋がるものであるとは到底考えられません。現時点で府がするべきことは院の移転を強行することではなく、当事者である本学の構成員の意見に耳を傾け、十分な時間をかけて最善の道を模索することです。そのためには移転問題に関する学生への情報公開を推進し、その学生の意見を考慮して慎重な議論を行う必要があります。その中で、先に挙げたような院の移転によって生じる諸問題の抜本的な解決策を考案し、学生をはじめとした本学の構成員に対して提示して頂きたく存じます。


投稿者 管理者 : 2006年02月24日 00:03

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