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2006年03月06日

立命館への守山女子高移管の衝撃、加害者のまるで他人事のような言葉

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20060303ddlk25070635000c.html

 下記は,3月末で廃校となり立命館守山高校に移管される守山女子高校の卒業式で,守山市長が述べた「祝辞」の内容について批評した毎日新聞の記事である。

 学校法人立命館への守山女子高校移管に関わっては,誰も知ることのない密室協議と何の前触れもない突然の発表によって,そこに学ぶ女子高生たちの「驚き,憤り,悲しみは大きかった」(朝日新聞3/02)。そして,彼女たちは母校を存続させようと市民に事の重大さを訴え署名活動を展開し,かつ「多くの人が反対しているのになぜ移管するのか」「私たちの気持ちを理解しているのか」と批判の声をあげ,泣きながら「移管しないように」と市議会および市長にも直訴した。しかし,この移管劇の加害者たちは,生徒たちの思いに馳せることなどなく「もっぱら自分事」・「まるで他人事」の発言を繰り返した。
 以下,守山女子高校移管について,加害者たちがマスコミに残した弁(主なもののみ)。

★川本八郎・立命館理事長
「共通の使命感が幸いにして出会い,この話が進んだのであって、守山市にとっても立命館にとってもこのことは斬新的な鋭意である」(読売TV・ニューススクランブル2005/05/23)「(移管を)断固貫徹する」(朝日新聞2005/05/18)

★本郷真紹・立命館常務理事
「2007年の大学全入時代を迎えるにあたって,学生の量の確保を図る意味でも付属校を増やすことが必要」(TV東京「WBS追跡ファイル・私立が公立校を吸収合併」2005年6月4日全国放映)

★山岡景一郎・平安女学院理事長
「守山女子校の問題はわれわれとは別個の問題。けれども,私どもはキリスト教の学校であり,天の助けが降りて三者(立命館・平安女学院・守山市)が融合した。なるべくしてなるんですよ。いい方向に行くんですよ。これが天命ですよ。」(TV東京「WBS追跡ファイル・私立が公立校を吸収合併」6月4日全国放映)

★そして,以下が山田守山市長による卒業式の祝辞の弁。「経験をマイナスにせず、プラスとしてほしい」

コンパス:「(立命館守山高への)移管の衝撃で…

 「(立命館守山高への)移管の衝撃で、皮肉なことに生徒が一つにまとまってくれた」。1日にあった守山市立守山女子高の最後の卒業式で、教職員や保護者がそう話していた。式の前に卒業生全員が式場に担任を呼び、感謝のメッセージを贈ったそうだ。答辞や送辞も自分たちの無念の気持ちを丁寧に表していたとし、移管をバネに、成長した姿を披露してくれた本当に素晴らしい卒業式だったと思う。

 一方で気になったのが市長の祝辞。「経験をマイナスにせず、プラスとしてほしい」と、まるで他人事のようだ。彼女たちから母校を奪う決断をしたのは市長自身で、いわば加害者。被害者が加害者から「つらいけど頑張って」と言われてどう思うのか。他に意図があったのかも知れないが、弱い者の立場を考えない失言ではなかったか。


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投稿者 管理者 : 2006年03月06日 00:11

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