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2006年10月03日

弘前学院大学不当解雇事件、新たな訴訟

 弘前学院大学不当解雇事件は,昨年の2005年6月9日学校法人弘前学院の最高裁への上告・上告受理申立の取り下げによって,高裁判決が確定した。従って,教員側の勝訴で終わった。その後,教員側代理人と学校法人弘前学院側の弁護士との間で話し合いが行われたが,学校法人側は「判決主文に書いてあるもののみ従う」と判決によって生じた確定判決後の法律関係の変化を認めなかった。

 具体的には,2001年から2005年分の昇給分の未払い給与をとり除いた約2300万円のみを支払い、その余の未払い昇給分・未払い賞余分(賞与があることは確定判決主文及び判決理由で認められていた)とその利子については支払いを拒んだ。また、判決確定によって生じた法律関係の遡及効も認めず、さらに、債権債務問題が片付かない以上一切の事務作業を行わないと明言し、教壇復帰はおろか年金・保険といった一切の雇用主の義務的事務作業を行わなかった。双方の弁護士との話し合いが決裂した2005年11月以降、労働基準法に定められ、また確定判決の主文にも書かれた月一回の給与支払いも滞ったため、更なる判決命令が必要との認識に至り、やむなく訴訟の提起に至った。

 なお,本件は8月31日に提訴され,10月10日には第1回口頭弁論が開催されることになっている。以下,訴状を掲載する。

訴  状

2006年8月31日

青森地方裁判所弘前支部 御中

原告訴訟代理人
弁護士 横山慶一


 当事者の表示 別紙当事者目録のとおり

地位確認等請求事件

   訴訟物の価額 金2660万0000円
   貼用印紙額  金  10万1000円

請求の趣旨

1 被告は,原告に対し,原告が研究職員であることを認め,大学教員として必要な研究室(具体的には大学1号館213研究室若しくは同等以上のもの)を貸与し,並びに,教室又は図書館等の学校施設の総ての利用を認めよ。
2 被告は,原告に対し,原告が教育職員であることを認め,講義演習等の教育活動,学生指導等の教育事務活動,教授会への参加,並びに学内・学外活動の総てを認めよ。
3 被告は,原告に対し,原告が大学教育又は研究職員であることを認め,研究費予算等の遂行に関して2001年度から支払済みにいたるまで研究費予算等についてその計上を行い遡及して執行させよ。
4 被告は,原告に対し,速やかに独立行政法人私立学校共済・年金事業団の私立学校共済(年金・保険)への加入の事務手続きを行い,並びに,前審により無効とされた解雇期日以降不当に原告が国民健康保険又は国民年金(これらは私立学校共済任意加入分を含む)加入に伴う損害を補填せよ。
5 被告は,独立行政法人日本学生支援機構に対し,原告が旧日本育英会の免除職にあることを通知し,並びに2001年4月17日付けでその前日に退職した旨の法人理事長有印文書の撤回を申し出よ。
6 被告は,原告に対し,原告が前審によって無効とされた解雇期日時点において,助教授昇進の条件を満たしていたことを認め,並びに,その旨を大学文学部教授会に報告し又当時の弘前学院大学学則及び内規に基づき当該期日に遡及しての昇進の審議を命令せよ。
7 被告は,原告に対して,金2500万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払い済みまで年6分の割合による金員を支払え。
8 訴訟費用は被告の負担とする。

との判決並びに仮執行の宣言を求める。

請求の原因

(以下省略)

投稿者 管理者 : 2006年10月03日 00:10

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