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2007年7月25日

立命館理事長の長田豊臣氏の論稿「高等教育の費用負担と制度改革」を批判する

京滋私大教連
 ∟●機関紙No124(2007.7.25号)

高学費問題の解決と高等教育の発展をめざして
-立命館理事長の論稿「高等教育の費用負担と制度改革」を批判する-

2007年7月20日
京滋私大教連執行委員会

 二〇〇七年七月号のIDE(現代の高等教育・IDE大学協会誌発行)「学費の費用負担」では、様々な立場にある高等教育関係者が、高等教育の費用を誰がどのように負担するのか、それぞれの主張を論じています。私たちは、高等教育に携わる方々がそれぞれの視点から高等教育をめぐる問題を論じることに異論を唱えるものではありません。しかし、立命館理事長の長田豊臣氏の論稿「高等教育の費用負担と制度改革」は、過去一貫して公費助成運動に積極的な役割を果たしてきた立命館大学の立場とは大きく異なる見解を表明しており、その内容には看過できない重大な問題が含まれています。私たちは、高学費問題の解決と高等教育の発展をめざす立場からこの論稿を強く批判するものです。

 論稿の前段では、高等教育に対する公財政支出の現状と課題について、大衆化した高等教育の担い手は私立大学であり、「教育の再生には一定の国家資金の投入が不可欠である」と強調するとともに、国立大学と私立大学の国費支出の格差や受益者負担の問題にも言及しており、その論旨には一定同意しうる内容も含まれています。

 ただし、後段部分で「大衆化したわが国の高等教育を再生し、活性化する」ための方策として、現在の国公私立大学を「三つのカテゴリーに区分」する「高等教育制度改革」が必要であると論述する部分には重大な問題点があります。……


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