2007年7月30日
山形大学、学長選考結果に対する組合見解「将来に大きな禍根を残す決定」 候補者による「声明文」
■山形大学教職員組合
∟●山大職組情報号外発行「学長選考結果に対する組合見解」
∟●山形大学学長選考のこれまでの経緯と予定
《学長選考結果に対する組合見解》
意向投票結果を覆し、逆転で結城氏が新学長に!
山大の将来に大きな禍根を残す決定昨日(25日)行われた学長選挙学内意向投票において、小山清人候補が378票で1位となったにもかかわらず、本日開催された学長選考会議は、355票で2位となった結城章夫候補を次期学長に指名した。
本学の学長選考はこれまで、教育研究に携わる有権者による投票結果を尊重して行ってきたにもかかわらず、それを覆した今回の学長選考会議の決定は、山形大学の将来に大きな禍根を残すものである。
選考会議は、意向投票の結果を覆すこととなった決定内容を、すべての構成員に対して、より具体的に説明する義務があると考える。
結城氏は13日の小白川地区での公開討論会において、フロアーからの天下り批判に対し、つぎのように答えていた。
「人事当局の斡旋ではない。予算を背景に押し付けているものではない。仮に押し付けがあるなら拒否すればよい。選挙で選ばれて学長になった場合は、みなさんの選択になる。したがって天下りには該当しない」
大学構成員は今回、意向投票という「選挙」によって、明確に「天下りNO!」の審判を下した。にもかかわらず、結城氏が学長就任要請を受けたということは、自ら「天下りを認めた」ことになるのではないか。
異常づくめの学長選は、結城氏が逆転で学長に決まったが、異常事態は今後ますますエスカレートし、学内外で不名誉な注目を浴びることになるだろう。
学内を混乱に陥れ、学内有権者の多数の意思に反し、「結城氏の天下り」を強引に推し進めた仙道学長以下大学執行部、学長選考会議の責任は、筆舌に尽くしがたいほど大きい。
《本日の経過》
13:15 学長選考会議開始
14:00 昨日の意向投票結果を学内外に公開
投票総数:809
有効票:798
無効票:11
1位:小山清人 378
2位:結城章夫 355
3位:加藤静吾 56投票数上位の3候補にそれぞれヒアリングを行った後、学長選考等規則14条にもとづき協議を行ったが、意見が割れたため、14条2項により無記名投票を行った。
結果は、結城氏10票、小山氏4票で、結城氏を次期学長に決定。
16:30 学長選考会議終了
加藤・小山両氏による声明文
声 明 文2007年7月26日
山形大学学長候補適任者
山形大学理学部 加藤 静吾
山形大学工学部 小山 清人
(50音順)山形大学学長選考会議は、昨日(7月25日)行われた学長選挙学内意 向投票の結果を覆し、結城章夫候補を次期学長に決定した。われわれ は、大学構成員の意向を蔑ろにした学長選考会議の決定に強く抗議する。本学の学長選考は伝統的に教育研究に携わる有権者による投票結果が曲がりなりにも尊重されてきた。学長選考会議の決定は、そうした本 学の伝統を否定するとともに、山形大学の将来に大きな禍根を残すものである。
選考会議は、意向投票の結果を覆すこととなった選考会議の決定内容を本学のすべての構成員に対して説明する責任がある。選考会議主催の説 明会を直ちに開催し、全教職員に説明するよう強く要求する。
今回の意向投票結果は,候補者としての結城氏が学内有権者の多数から支持されなかったことだけでなく,文科省からの「天下り」に対してもそれを批判した3候補への支持を合わせれば,結城氏支持に対して88票も多かったことから、大学構成員は同氏の「天下り」にも拒否の審判を下したということ示している。結城氏は潔くその客観的な事実を認め、学長就任要請を辞退すべきであった。結城氏は13日の公開討論会(小白川)において、フロアーからの天下り批判に対し、つぎのように答えていた。「人事当局の斡旋ではない。予算を背景に押し付けているものではない。仮に押し付けがあるなら拒否すればよい。選挙で選ばれて学長になった場合は、みなさんの選択になる。したがって天下りには該当しない」しかし、大学構成員の少数派の意向を受けて、多くの選考手続き上の瑕疵にもかかわらず、学長就任要請を受けたということは、自ら「天下り」を認めたことに他ならない!
さらにその公的な立場もわきまえず、結城氏を擁立し、学内に混乱を巻き起こした仙道富士郎現学長の責任は大きい。権力を私物化し、学長選考そのものを恣意的にコントロールしてきたことは明白であり、学長解任に値するとさえ、考えることができる。その現学長に推薦されてきた結城氏にも当然道義的な責任はあり、学長を辞退すべきである。さらに私たちは、結城氏の学長候補推薦同意の時期の問題と合わせて、今回の学長選そのものが無効であると考える。つまり結城氏については,6月11日学長選考会議における第1次審査時本人の次官辞任同意が得られていないという瑕疵が有る事が指摘されており,手続き上の瑕疵を不問にしたままでの学長候補決定には,法的にも問題が残る。私たちは、大学構成員の意向を尊重し、選考会議は本日の決定を取り消すよう強く求めるものである。もし、このまま、結城氏を学長候補に決定するなら,法的措置をわれわれは考えなければならなくなる。そうなれば、より一層の混乱も予想される。学長選考会議における学外者主導での結城学長の押しつけは、大学にとっては百害あって一利なきものでしかなく、一層の混乱を引きおこすので,本学の真の発展を願うのであれば、ただちに撤回すべきでものある。
以 上
(新聞記事)
■山形大学長に前文科次官 「改革」「天下り」紛糾
■山形大:学長選 新学長に結城氏 投票では2番目…選考会議が逆転選出
■山形大学長に前文科次官・教職員投票を覆し選出
■山形大学長に結城前次官 教職員投票から一転
■山形大学:新学長に前文部科学事務次官の結城氏
■山形大学長に前文科次官=「天下り」と学内から批判も
■山形大学長に前文科次官の結城氏、中央省庁次官経験者で初
■元文部科学次官・結城氏、山形大学長に 他候補は反発も
■山形大学長に前文科次官 学内投票結果覆して選出