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2007年8月 2日

国際人権A規約第13条の会、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・政府報告に関する意見

国際人権A規約第13条の会は,社会権規約13条2項(c)(=高等教育的無償化条項)に関し留保撤回を求める意見書を外務省に提出した。

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・政府報告に関する意見

2007年7月25日

団体(個人)名( 国際人権A規約第13条の会 )
住所(京都市伏見区深草塚本町67番地 龍谷大学 角岡研室気付)
電話(     075(645)8634(細川)     )
FAX(       同 上         )
Eメール(   hosokawa@biz.ryukoku.ac.jp  )
団体の場合は執筆者名(   細川 孝    )

1.条約関連条項:13条2項(b)および(c)
政府報告書関連パラ番号:   
2.見出し
  中等教育および高等教育における無償教育の漸進的導入に関する「留保」について
3.内容
 国際人権規約(社会権規約)に規定される中等教育および高等教育における無償教育の漸進的導入について、日本政府は、1979年の批准の際に、「拘束されない権利を留保する」とした。国会では1979年5月(衆議院)、6月(参議院)の外務委員会で「留保については諸般の動向をみて検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。さらに、1984年7月には、日本育英会法の審議に際し、衆議院と参議院の文教委員会で「諸般の動向をみて留保の解除を検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。このような経緯からして、条約批准から4半世紀以上経った今日においても「留保」し続けることは、国民の教育権を保障する上で、許されない。

 日本政府が「留保」したのは、「特に、無償教育の漸進的な導入により」の部分だけであり、「高等教育は、すべての適当な方法により、……能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」については、留保抜きで批准している。しかし、現実には、「格差問題」が深刻化し、それが教育における差別に結びついている。教育における差別は、将来の進路選択にも影響する。雇用における差別を招来していることにも留意しなければならない。

 世界でも異常な日本の高学費問題の解決は、緊急に解決すべき人権保障上の課題となっている。国連人権理事会の理事国である日本は、国際人権規約を初めとする条約を尊重していく義務を負う。「人権理事会選挙における日本の自発的制約」(2006年4月14日)でもこのような見地を明らかにしているところであり、13条2項(b)および(c)の留保は、早急に解除されるべきである。


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