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2007年8月20日

北陸大学不当解雇事件、田村教授「大学側は10月からの後期授業で科目を担当させるべきだ」

2教授解雇仮処分申請:金沢地裁、北陸大に支払い命令 地位保全認め月35万

毎日新聞(2007/08/15)

 「担当科目がなくなる」などとして北陸大(金沢市)に解雇を言い渡された教授2人が、同大を相手取り地位保全と賃金支払いを求めた仮処分申請に対し、金沢地裁(中垣内健治裁判官)は今月10日、地位の保全と1審判決言い渡しまで月35万円の支払いを命じた。13日に教授らが記者会見し明らかにした。
 決定書などによると田村光彰教授(61)は法学部で、ドイツ人のルート・ライヒェルト教授(51)は外国語学部でそれぞれドイツ語を担当。両教授は04年4月の学部再編により教育能力開発センター所属となったが、大学側はドイツ語科目が廃止されたことなどを理由に今年2月、解雇を通知した。
 両教授は3月16日、金沢地裁に仮処分を申請。同地裁は今月10日、「解雇は合理的な理由を欠いている」として2人の訴えを全面的に認めた。
 両教授は「大学側は10月からの後期授業で科目を担当させるべきだ」。大学側は「我々の主張が認められなかったことは遺憾。弁護士と今後の対応について検討する」としている。
 北陸大を巡っては石川県労働委員会が今年4月、同大が組合活動を理由に薬学部の教員3人を担当科目から外したのは不当労働行為にあたると認定している。

2教授解雇は無効 北陸大に地裁仮処分

朝日新聞(2007/08/14)

 北陸大(金沢市太陽が丘1丁目)による解雇は無効だとして教授2人が同大学を相手取り、地位保全と賃金支払いを求めた仮処分申請で、金沢地裁の中垣内健治裁判官は10日付で「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上是認できない」として、解雇を無効とする仮処分命令を決定した。
 13日、教授らが会見を開いて明らかにした。決定によると、同大は2月21日付で、大学の学部改組に伴いドイツ語などの科目がなくなるため、ドイツ語の専任講師だった田村光彰教授(61)と、ルート・ライヒェルト教授(52)を3月末で解雇すると通知した。
 中垣内裁判長は決定で、直ちにドイツ語教員を解雇してでもドイツ語科目を廃止しなければならない必要性があったかどうか疑問が残るとしたうえで、解雇を回避する努力も尽くされていないと指摘した。
 会見で田村教授は「格調高い決定で評価できる内容。全国の多くの同様の立場の人に勇気を与えるものだ」と話した。
 同大学は「私どもの主張が認められなかったのは遺憾だ」としている。

北陸大教授の解雇無効 賃金支払いなど仮処分認定 金沢地裁

■東京読売新聞(2007/08/14)

 金沢地裁は、学校法人北陸大学(金沢市)を解雇された田村光彰(61)、ルート・ライヒェルト(51)両教授が求めていた地位保全と賃金支払いの仮処分申し立てを認める決定をした。決定は10日付。両教授と支援者の会が13日、記者会見で明らかにした。
 同大は2006年4月、学部再編ですべてのドイツ語科目を廃止。これに伴い、「担当する授業科目がなくなった」などとして、ドイツ語などを担当していた両教授を3月31日付で解雇していた。
 金沢地裁は、大学側が解雇回避のための努力を尽くしていないと指摘したうえで「合理的な理由を欠き、無効」とした。
 金沢市の金沢法曹会館で記者会見した田村教授は、「大学側は再び科目を担当できるようにするべき。後期の授業は10月からで、まだ間に合う」などと話した。一方、同法人の中川幸一専務理事は「当方の主張が受け入れられず、誠に遺憾。文面をよく読んで今後の対応を決定したい」としている。

北陸大の2教授、解雇不当と決定 金沢地裁

■北國新聞(2007/08/14)

 北陸大に勤務していた法学部と外国語学部の教授二人が、担当科目を廃止された上に解雇されたのは不当とした地位保全の仮処分申請で、金沢地裁の中垣内健治裁判官は十三日までに、二人の解雇は無効であるとの決定を下し、地位の保全と今月からの賃金仮払いを命じた。
 決定によると、北陸大は二〇〇四年四月、教職員組合員らに事前通知なく法学部と外国語学部を廃止し、教員を別の学部などに配置転換した。これを受け今年三月、教授二人は「担当する科目がなくなった」として一方的に解雇された。教授らは十三日、金沢市内で会見し、十月までに同大に対して解雇の撤回を求めて提訴するとした。


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