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2007年8月27日

横浜市立大学、「任期同意書」の撤回・返却を要求した教員の主張

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(8月24日)

横浜市立大学教員組合週報(2007.8.24)

目次 ●「任期同意書」の撤回・返却を要求した教員の主張の紹介

 一昨日の団体交渉で、任期更新問題は、今後の組合と当局との継続審議事項ということになりました。

 また、24日までに、自己申告書を出さない場合にも、不利益措置はない、という確認を当局からとりました。

 しかし、教員組合の8月5日付の「任期更新手続きに関する団体交渉の要求」文書にある「制度への同意の条件となった約束の具体化・制度化が見られない」という理由により、今回、自己申告書提出が求められたことに対して抗議をし、「任期同意書」の撤回・返却を要求した教員もいますので、その主張の要点を紹介します。

1.「同意書」には、「任期制を適用(任期のある雇用契約を締結)することに同意します」とあるにもかかわらず、「同意書」提出後、いかなる「任期のある雇用契約」も締結されていない。雇用契約とは、大学側と被雇用者との間に交わされるものであり、被雇用者の関知しないところで、一方的に大学側が「契約」を結ぶなどということは、ありえない。したがって、「任期のある雇用契約」は締結されていないとみなさざるをえず、任期制は現時点においてまだ適用されていないと考えるのが当然である。

 しかるに、このたび大学側は「今年度末で任期満了となります」とする文書を送りつけてきたのは、明確な違反である。

 一言でいえば、「雇用契約(任期、年俸などに関して)」を締結していないのに、「同意書」を提出した者を「任期つき」教員とみなす今回の大学側のやり方には、大学側と教員の信頼関係を損なう、重大なあやまりがある。

2.平成17年3月15日付の松浦最高経営責任者名による、任期制への同意を求めるための文書「任期の定めのある雇用契約への同意について」には、明確に「今回は、あくまでも任期制の適用に同意をいただけるかどうかを確認するものです」とあるにもかかわらず、「同意書」の提出を任期制の適用とみなすような、「任期更新に伴う自己申告書」の提出を求めることは、違反行為である。

3.昨年10月2日、大学側が開催した公式の「説明会」において、「任期制はすでに発足しているのか」との質問に、座長の馬来副学長が「まだ発足していない」と返答した。にもかかわらず、大学側は平成17年度において任期制がスタートしていることを前提とした、「任期満了」の通知を送りつけてきた。これは許容しえない違反行為である。

4.大学側が「同意書」をとりつけるに際して付した「任期制運用の基本的な考え方について」に示されている、「同意書」を提出した者に対する優遇措置が何一つ実行されていない。ここにも重要な約束違反があるが、それ以上に、このことは、「同意書」提出後、「任期のある雇用契約」がなんら締結されておらず、したがって任期制もまだ適用されていない、と考えることの正当性を証明するものである。

 任期にかかわるような労働契約は、文書をもって示し、それにもとづいて契約を締結しなければならないのは、明らかなことです。また、任期制への同意を求めるにあたって、当局が示し教員に期待を抱かせた諸条件は、法人化後、2年以上経過したにもかかわらず、何ら実行されていません。このことは、任期同意者の期待を裏切るものあり、信頼関係を踏みにじるものに他なりません。当局は、欺瞞的な言葉によって任期への同意を求めたことの責任を明らかにしなければならないと考えます。また組合は上記のような立場をとる組合員の権利をも守るよう努めます。


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