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2007年9月28日

首都大学東京労組、任期付教員の再任判定基準の本格的検討はじまる

首都大学東京労組
 ∟●手から手へ第2458号

全教員によるオープンな検討を!
部局・専門分野の特性を尊重し、長期的教育研究の保障を!

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 組合はすでに8月1日の中央執行委員会声明『任期評価の検討開始にあたっての組合の見解と要望』(手から手へ第2457号)で、任期評価問題に対する基本的見解を発表しています。私たちは教職員の雇用と労働条件に責任を持つ組合として、「全員任期制」という基本方針にはあくまで反対ですが、現に「任期付教員」が多数いる以上、さし迫った再任判定で不当に職を奪われる教員がひとりでもでてはならないと考えています。
  去る9月14日の人事制度等検討委員会において任期付き教員にたいする『再任判定の基本的考え方(案)』(以後、『考え方』)が提示され、懸案の検討が本格的に開始されました。今後進められるであろう各部局教員組織での討議に向け、組合は緊急に論点の提起と要望を行うものです。なぜなら、再任判定基準の内容、手続きは直ちに教員の雇用と労働条件に直接関わる重要な交渉事項だからであり、また、現在の首都大学東京においては任期付き教員が全教員の過半数を占めており、その再任判定方法は今後の本学の教育と研究の帰趨を定めてしまう、すなわち大学の本質に関わる問題だからです。

 まず私たちがもっとも重視するのは、各部局教員組織のオープンな議論です。決して一部管理職教員の間だけの協議と事後報告に任せてはならず、教授、准教授、助教、助手のすべての意見、要望を十分にふまえた策定がなされなければなりません。教員の基本組織である各部局ごとに議論の経過の公表と集団的討議の機会の確保が不可欠で、とくに意見表明の機会が十分に与えられているとは言い難い助教(部局によっては准教授)以下への情報提供と発言機会の保障を法人当局と部局管理職教員に強く要求します。

 全教員に発言、意見表明の機会を保障した討議がなされることを前提とした上で、以下に留意すべきいくつかの論点と要望を述べます。
 第一に、現行の任期制施行時点での唯一の再任基準は「大学教員として通常の勤務成績・業績を上げていれば再任される」であったことを重く受け止め、それがどのように具体化されるかです。組合は、例えば懲戒解雇に相当するような、教員として雇用を継続するのにふさわしくないと判断される事例を除き、全員を再任すべきであると考えています。
 さいわい、今回の『考え方』では第一項で「大学教員として通常の能力を有し、意欲を持って職務に取り組んでいる者については、原則として再任される」ことが記されています。法人化にあたっての説明会でも繰り返し当局から表明されていたことでもあり、この原則は歓迎できるものです。したがって、今後の具体的基準策定のプロセスで、この原則が堅持されることを期待します。


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