研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2007年10月24日

横浜市立大、法人固有職員 「三年での契約更新」

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(10月23日)

●職員組合と話し合いをもちました

 同じ大学で仕事をしている職員の組合とも連携を深めるために、18日に四役で話し合いを持ちました。その話の中で、職員組合も、さまざまな問題を抱えていることが明らかになりました。職員組合は、今月9日に理事長宛に「職場諸要求に関する要望書」を出しています。

 職員は、職員区分としては、職員、市派遣職員、非常勤職員、契約業者からの派遣社員、業務委託職員など、さまざまな雇用形態の職員から成る混成の職場で、適切なコミュニケーション維持にも困難な状況を抱え、また働く意欲の維持にも支障が出るという危惧も抱かれています。そのことは、直接・間接に教員・学生にも大いに影響を及ぼすことになります。

 法人化に伴って任期に同意した教員の更新問題が、現在、教員組合としての大きな問題ですが、法人固有職員は、三年ごとに評価をおこない雇用契約を更新することになっています。この雇用契約の継続に関連した問題が発生していることも明らかになってきています。

 同じ大学に働き、よりよい大学を目指すものとして、看過し得ない、きわめて重大な問題でもあります。

 大学での教育・研究など、さまざまな活動には、教員・職員の相互の理解と協力が欠かせません。教員としても、職員組合の抱える問題を認識することが必要だと思います。そこで、職員組合が10月9日付けで理事長宛に出した「職場諸要求に関する要望書」を次に紹介いたします。

2007年10月9日

公立大学法人 横浜市立大学
理事長 宝田 良一 様

横浜市立大学職員労働組合(横浜市従大学支部)
委員長 伊藤 博 

職場諸要求に関する要望書

 市民に期待される大学運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。
 横浜市立大学職員労働組合における職場諸要求について、以下の通り改善を要望します。

要求事項

1.職員配置基準の明確化について
 現在の横浜市立大学は、雇用形態の異なる様々な人たちにより業務が日々遂行されています。職員区分では、職員、市派遣職員、非常勤職員、契約業者からの派遣社員、業務委託職員など、さまざまな雇用形態の職員による混成職場となっています。また、人の入れ替わりも多く、職場内の意思疎通と適切なコミュニケーション維持にも困難な状況を抱えています。このような職場状況では、無用な誤解や働く意欲の維持にも支障がでてくるものと思われます。職員組合としては、職場運営の改善の立場から、職場状況の改善と職員の配置基準を明確にするよう要望します。

2.法人固有職員の継続雇用に取り組みについて
 法人固有職員は、「三年での契約更新」となっており、三年ごとに評価をおこない雇用契約を更新する、となっていますが、雇用契約の継続を基本とした対応を図るよう強く要望します。また、評価に当たっても、不利益・不平等な扱いが生ずることのないよう必要な体制を整備することを要望します。

3.配転基準の明示について
 今後の法人職員の配転基準の検討と明示を図るとともに、職員の配転希望がある場合については必要な配慮を要望します。

4.市派遣職員の対応について
 市派遣職員の配置などの処遇については、これまでの交渉経過を踏まえた対応を要望します。また、異動にあたっては、本人の意向を尊重するとともに、組合の了解を経ずに一方的な説得などはおこなわないよう要望します。

5.「不服申し立て機関」の設置について
 現状では、労働条件や不利益な扱いなどでの不服対応の方法としては、直接「労働基準監督署」に訴えることになりかねない状況もありえます。事前になんらかの解決点が見いだされる場合も想定されることから、双方にとっても不本意な状況に至らないよう適切な対応と「不服申し立て機関」などの設置の検討を要望します。

6.育児休業措置の検討について
 非常勤職員や契約職員には、若い人たちが採用されていることから、継続して働き続ける環境の配慮が求められています。育児休業措置などの環境整備を要望します。

7.人事評価の本人開示について
 人事評価における評価結果については、疑義が生じやすいことが想定されます。本人からの開示請求がある場合には、情報の開示と十分な説明をおこなうよう要望します。また、人事考課など個人情報に関わる取り扱いには、充分な配慮と管理がなされるよう要望します。

8.60歳停年以降の継続雇用について
 60歳停年後の対応については、横浜市でも再任用などの継続雇用の措置を講じています。法人においても、市派遣職員など、市立大学で定年を迎える職員については、継続雇用について何らかの制度化を図るよう要望します。


|