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2007年11月 5日

横浜市立大学教員組合、透明で公正・公平な昇任人事を保障するため教授会に詳細な審査報告書全文の提示を

横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ウィークリー、2007.11.01

昨日、団交をおこないました

8月22日の「再任」に関する団交が継続となっていたため、昨日、2回目の団交をおこないました。一定の前進が見られましたので、速報でお知らせいたします。

当局から、再任に関しての基本的な考え方として、

(1)大学教員としてその能力及び意欲が欠如しており、教育・研究内容やそれらに対する取り組みがきわめて不十分で、大学が果たすべき社会貢献について取り組む姿勢が見られず、また大学運営にもほとんど協力が得られないなど、本学の教員として、再任が適当でないと客観的に判断される場合以外は、再任する。

(2)これらの問題がある場合にも、改善のための働きかけを行い、本人の姿勢や行動から改善が期待される場合は再任も可とする。

というものが示されました。

そこで、組合としては、「客観的な判断」の基準と判断方法、「改善のための働きかけ」方法、また不服審査制度のあり方に関して、当局と教員組合との間で協議をしていくという確認の合意文書を取り交わすことで合意しました。

また、再任にあたっての任期開始時期に関しては、当局と組合との間で見解の相違がありますが、「自己申告書の提出について」という当局が再任対象教員に配布した文書の「今回の取り扱いは」「当面の運用」とするということについて、どのように考えていくか、協議をしていくことで合意しました。

昇任人事について、要求書を出しました

 本年4月の昇任人事に関して、教員組合は6月4日に質問状を出しましたが、その回答は、質問に真摯に答えていないものでした。
 わずかに回答があったことについても、看過し得ない問題があり、さしあたって次の「要求書」を昨日出しました。

公立大学法人横浜市立大学
理事長 宝田良一 殿
学長 ブルース・ストロナク 殿
副理事長 松浦 敬紀 殿

2007年10月31日

横浜市立大学教員組合執行委員長
永岑 三千輝

要求書

 教員組合は6月4日に14項目にわたる「2007年4月の昇任人事に関する質問書」を出したが、回答は、ほとんどの部分において質問に真摯に答えていない、誠意さを欠くものであった。質問を受けながら、誠実に回答しないというのは、大学という研究・教育機関の責任者として、また研究者・教育者としてあるまじき態度である。

 質問に回答しなかった項目に関しては、あらためて問題としていく。しかし、わずかに回答のあった部分にかんしても問題がきわめて大きいので、まず次の点に関して要求をする。

 回答には、「審査報告書についてですが、審査に関する資料には特定の個人に関する情報も含まれているという御意見や御指摘もあり、公開しておりません」とある。

 法人化以前の教授会では、教授会構成員全員に詳細綿密な報告がなされていた。それと比して、法人化された大学では、透明性は明らかに後退している。透明・公平な人事を謳う現法人の大学当局として、上記のような言葉は、述べるべき言葉であろうはずがないものである。

 法人化以前の教授会では、詳細な報告が教授会構成員に対してなされなかったことはないし、ましてや「特定の個人に関する情報」があるからなどという理由で、詳細な報告書が提示されなかったことなど、一度としてない。

 公平性・透明性が保障されない人事をおこなうことによって、大学は、その質を落とすことこそあれ、評価されることはない。

 不透明・不公正・不公平な人事をおこなわなかったというなら、その証拠として、教授会構成員に対して詳細な審査報告書の提示をすべきである。教授会構成員のみに示す以上、個人情報が外部に出るおそれをいだく必要などないはずである。教授会構成員への詳細な審査報告書の提示を拒む理由はない。

(1)まず、公開していないという審査報告書について、総頁数何頁であり、総行数何行であり、総文字数何字のものであるのか。各審査対象者毎に、明示することを求める。

(2)さらに、透明性を守るというのなら、まず、詳細な審査報告書全文の提示を、教授会構成員全員に対しておこなうことを要求する。

(3)しかしそれでも、審査報告書に「特定の個人に関する情報」が含まれているので教授会構成員に示せないというなら、透明性・公平性・公正性についての疑念の、わずかな部分を除去するために、詳細な審査報告書の当該の一部分のみに限って伏せたものであったとしても、まず、それを提示すことを求める。

上記のことを要求する。11月7日を期限として早急に示すことを求める。

以上


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