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2007年11月19日

横浜市立大学任期制、再任に関する合意書

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(11月15日)
横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ウィークリー、2007.11.15

 週報が発行された。法人経営者から大学管理職のすべてが、「外から」、「上から」任命されている全国でもまれな大学において、ぎりぎりのところで、任期制に同意した教員の自由・民主主義的権利を守っていくために、努力したが、この結果を、大学の自治、自由と民主主義の発展に活かすためには、全教員の不断の注意・努力が必要となろう。

 改革過程から今日までの当局のやり方を信頼できない多くの人々は、教員組合の一貫したスタンスに共鳴し、その基本的立場を現在なお支持し、「任期制への同意強制に反対」している。この同意強制は、労働基準法違反との見地である。昇任の可否という重大な処遇条件をハードルにして、任期制への同意を迫るものであり、差別条件の強制は、友好的で良好な関係に基づく真の合意にもとづくでないことを証明するものだからである。

 この間の昇任に関わる問題を見ても、当局に対する不信感には強いものがある。当局が示した新しい「説明」には、信義違反、団体交渉の結果の誠実な実行という点での違反もみられ、不信感と怒りを増幅している。

-------横浜市立大学教員組合週報------

「合意書」が取り交わされました

 すでに11月1日付の速報でお知らせしましたように、10月31日の団交を受け、再任に関しての基本的な考え方等に関して、付帯条件を付した「合意書」が作成され取り交わされました。

 付帯条件においては、再任に関して、当局が一方的に再任についての判断を行なわないよう判断基準や方法に関して、また不服申立やその審査制度に関しても、当局と組合間で協議を行なっていくという文言が入れられました。

 また、任期の開始時期に関しては、当局と組合間での見解は相違したままでしたので、「今回の取り扱いは」「当面の運用」とするということについて、評価制度やテニュア制度等を当局と組合間で協議をしていく中で、どのようにとらえるかを考えていくといった趣旨の文言を付することとで合意し、これらの問題においても当局と組合と協議が行なわれることが必要という条件を付することになりましたので、以下に、その全文を掲げ、お知らせいたします。

合 意 書

平成19年10月31日

公立大学法人 横浜市立大学  署名
 副理事長  松浦 敬紀

横浜市立大学 教員組合    署名
 執行委員長 永岑 三千輝

 公立大学法人横浜市立大学(以下、「当局」と言う。)と横浜市立大学教員組合(以下、「組合」と言う。)とは、平成19月10月31日までの交渉の結果、以下の条件を付して合意した。

 なお、この交渉結果について変更が必要となる場合は、改めて、当局と組合の間で協議を行う。

【合意事項】
1 再任に関しての基本的な考え方

教員の任期更新に関しては、次の考え方による。
(1)大学教員としてその能力及び意欲が欠如しており、教育・研究内容やそれらに対する取組みがきわめて不十分で、大学が果たすべき社会貢献について取り組む姿勢が見られず、また大学運営にもほとんど協力が得られないなど、本学の教員として、再任が適当でないと客観的に判断される場合以外は、再任する。
(2)これらの問題がある場合にも、改善のための働きかけを行い、本人の姿勢や行動から改善が期待される場合は再任も可とする。

2 任期更新手続きの時期

 任期が3年の教員の更新手続きの時期については、3年ごとに行うこととする。
 なお、准教授並びに助教について、任期中に労働基準法14条1項1号の規定に基づく厚生労働大臣が定める基準に該当した場合には、次期任期期間を5年とする。その場合も、当該職位の任期の上限年数は変わらないものとする。

【付帯条件】
1 【合意事項】1にある「客観的判断」の基準と判断方法、「改善のための働きかけ」方法、並びに想定しうる不服申立・審査制度のあり方に関して、当局と組合との間で、協議を行っていく。
2 任期更新に係る再任審査の実施にあたり、3年任期の教員あてに配付した文書「任期更新に伴う自己申告書の提出について」(平成19年7月24日付)にある、「今回の取り扱いは」「当面の間の運用とします」という文言の扱いに関しては、評価制度の任期更新への反映、並びにいわゆるテニュア制度の実現に向けた取り組み等を、当局・組合間で協議していく中で、今回の再任のあり方も含め、整合性のあるものとして整理・協議していくこととする。
【その他情報提供】
・「雇用契約書 兼 労働条件通知書」の様式について情報提供を行い、当局と組合で内容を確認した。

以上


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