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2007年11月29日

労働契約法が成立、労働条件切り下げ促進法

改正最低賃金法と労働契約法が28日の参議院本会議で、賛成多数により可決、成立した。

[労働契約法]
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g16605080.htm
労働契約法、参議院厚生労働委員会可決(働く女性の全国センター)
http://www.labornetjp.org/news/2007/1196213689184staff01

労働契約法

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第九条 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。

第十条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。

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全労連の見解、衆議院における労働三法案の扱いについて
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 可決された労働契約法案には、「就業規則の変更による労働条件の不利益変更ルール」が盛り込まれ、労働者にとって重大な問題をはらんでいる。就業規則は使用者が一方的に決定・改変することができる。ゆえに、それをもって労働条件を不利益変更することは「原則として許されない」と判例法理は明言している。ところが政府案は、労働者の合意がなくとも不利益変更に合理性が認められる条件を、「ただし」書きに明示し、使用者に「不利益変更は可能」と印象付けるようなものとなっている。
 そもそも、こうしたルールが、労使対等決定と信義誠実の原則がうたわれている労働契約法におかれることがおかしい。しかも、不利益変更の合理性判断要素が4つに省かれ、「労働者への代償措置」、「不利益性を緩和する経過措置」、「一部の労働者に不利益が集中する場合の特別の手当て」など、最高裁判例が認めてきた要素すらはずしている。このままでは、“労働条件切り下げ促進法案”と言わざるを得ない。全労連は、「就業規則の変更による労働条件の不利益変更は許されない」との原則のみを法律化し、法案第9条の「ただし」書きと10条の例外規定の削除を強く求める。

連合事務局長談話
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2007/20071128_1196225029.html

[同ニュース]
労働2法が成立、与党と民主の修正協議で初
改正最低賃金法が成立 ワーキングプア解消狙う

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