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2008年1月16日

訂正申請の結果についての社会科教科書執筆者懇談会の声明

俵義文のホームページ
 ∟●訂正申請の結果についての社会科教科書執筆者懇談会の声明

訂正申請の結果についての社会科教科書執筆者懇談会の声明

 12月26日、文部科学省は、沖縄戦記述に関する高校日本史教科書6社8点の訂正申請について、審議経過とその結果を発表した。これについて私たちの考えるところを以下の通り表明する。
1.今回の訂正申請は、多数の県民を結集した9月29日の検定意見撤回を求める沖縄県民大会の決議を受け、政府・文科省が、検定によって書き換えられた教科書記述について訂正申請があれば対応すると表明したことによって具体化したものである。県民大会決議の核心は、検定意見の撤回と「集団自決」に関する記述の回復である。これを受けた訂正申請の受理である以上、事実上検定意見の誤りを認め、記述の回復をはかるための訂正申請の受理であったというべきである。
したがって、各教科書の当初の訂正申請文は、表現はさまざまではあるが、軍の強制という表現も含め検定前の記述の回復をはかるものである点は共通している。訂正申請の結果、その一部は認められ、検定後の見本本の記述がある程度改善された面もみられる。これは、沖縄県民の抗議や私たちの運動によって、当初の検定意見による書き換えがあまりにも不当なものであったことを認めざるを得なくなった結果といえよう。しかしながら承認された訂正申請文からは、日本軍が「集団自決」を強制したという趣旨の記述はすべて削除された。その根拠と思われるのは、検定審議会の「基本的とらえ方」と題する文書でみる限り、「それぞれの集団自決が、住民に対する直接的な軍の命令により行われたことを示す根拠は、現時点では確認できていない」という一文のみである。・・・・


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