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2008年05月29日

横浜市立大学、教員評価制度に対する組合員の声

横浜市立大学教員組合
 ∟●教員組合週報

教員評価制度に対する組合員の声

 ある組合員から、教員評価制度の問題点について次のような意見が寄せられましたので、ご紹介します。

 そもそも教員評価制度を行うにあたり、根本的な問題として、教員組合が幾度となく指摘しているように、学問の自由を侵害する危険な内容であるということが、最も大きな問題であると思われるが、評価結果を処遇に反映させることの是非について、組合の声明で指摘されなかったある視点について述べたい。
 大学が法人化し、雇用関係が民間企業と同様となったが、民間企業と異なり、法人化前と変わらないこととして、人件費が横浜市の予算内で決められていることがある。
 民間企業であれば、社員一人一人が皆それぞれ、頑張って業績をあげれば、その企業の業績も上がり収入も増え、従って個々の社員の賃金も、それぞれ上がることはあっても下がることはない。
 ところが、市大の場合、毎年横浜市から降りてくる予算は、今年度の教育研究費の唐突な大幅減額にみられるように、いくら教員ががんばって仕事をしても減ることすらあっても増えることはない。
 当局は、教員評価制度を処遇に反映させることを、努力した人が報われる制度 といっていたが、市大の場合、どんなに教員が一生懸命努力して、その年度の目標以上のことを達成したとしても、市大教員の人件費の総額が、横浜市の予算で既に決められている以上、その努力や成果に対する賃金のアップ等はないであろう。
 例えば、もし仮に、市大の教員全員が、一生懸命努力して、個人個人がその年度の目標以上のことを達成したとしても、教員の人件費の総額が、横浜市の予算で既に決められている以上、その努力や成果でたかい評価となり、賃金がアップした人が出るとすれば、必ず、同じように努力し成果をあげた教員の中からも賃金がダウンする人が出てくるということである。
 民間企業であれば、社員全員が努力すれば、それに応じて全員の賃金がアップということが考えられるが、市大ではそういうことがない。そこが民間企業と異なる点である。
 つまり、教員評価制度を給料等の処遇に反映させられとなると、最高評価Sがつく人がいれば、どんなに頑張ってもかならず最低評価Dがつく人がでてくるということである。
 当局は、いやそんなことはない と反論するかもしれないが、現実に、その人が頑張って成果をあげたにも関わらず、経営上の理由 ということで昇進をストップさせられた人がいるではないか。つまり、当局は、がんばっても自分達のいう事をきかないと給料はあげないといっているのである。当局のいう、努力した人が報われる制度 といった安易な言葉に絶対にだまされてはいけない。
 結果的に、最終的な評価者が大学の執行部の数人であるかぎり、当局や市の言いなりなり、大学当局に媚へつらう人だけが高評価、高処遇を得る仕組みになっている。(以上)


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