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2008年05月01日

立命館精神はどこへ行ったのか

■朝日新聞(全国版)声

 立命館大学が、定員超過した新設の生命科学部の入学者に他学部への転籍を求めていたという。補助金狙いは明らかだろう。大学当局は学生のことより、目先の利益にしか目が向いていないのだ。私はこの大学に通う学生として非常に恥ずかしく思う。

 最近、立命館大学が行ってきた「改革」を見る限り、このような事態は起こるべくして起こった出来事ではないか。

 学生の授業料は毎年上がり続け、教職員のボーナスまでカットされた。さらに、非常勤講師の低賃金、不安定な身分という劣悪な労働条件....。

 そうした中で、去年春には理事長と総長の退任慰労金が理事会の決定によって倍増された。学生・教職員からの批判に対して、理事会は誠意ある対応をしていない。

 去年秋には新しいコミュニケーションマークが制定された。立命館関係者の「心を一つにする」ことが目的という。だが、心を一つに出来ない現実を直視することから始めるべきではないのか。マークも上から押し付けても、何も変わらない。

 立命館はその昔、授業料の安さを魅力にしていた。学問を苦学生にも開く精神があったのだろう。その立命館精神はどこへ行ったのか。


■文部科学大臣会見概要
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/08042105.htm

平成20年4月15日大臣会見概要

記者)
 立命館大学で、助成金がもらえなくなる人数が入ってしまったということで、他学部への転籍を学生に求めていたという話があるのですが、それについて文部科学省の見解をお聞かせ下さい。
大臣)
 実態をしっかりと把握するために、本日、立命館大学が説明に来られるそうです。入学定員の超過率が1.4倍を超えた場合は、当該学部への私学助成金が不交付になるというルールがありまして、余計な話を少しさせて頂くと、我々の頃は、実は平気で2倍3倍取っていて、こういうことはなかったのです。おそらく、こういうことの反省なんだろうと思うのですが、今はそういうルールになっています。昭和48年から、最初は7倍だったそうですが、そこからずっと下げてきて、今年が1.4倍ということです。大学側がどういう意図でやられたかの詳細を含めて、担当課でしっかりと聞くことになっているわけですが、基本的に、入学試験は大学の責任においてやられるわけですから、どういうことでこういうことになったのかは、我々としては聞き質さなければいけない。極端に言いますと、助成金は要らないということであればこういうこともあるのかなと思いますが、やはり学部を転籍するということは、入学試験の際には、学生に対して同じ基準で選ぶわけですから、そういったことで問題がないのかどうかといったことも含めて、転籍したことが教育上の合理的な理由があるのかどうか、しっかりと問い質したいと思います。もしそれがないとしたら、これは不適切になると考えています。
記者)
 その合理的な理由というのは、例えば人数が多すぎて教育施設が使えないというようなことですか。
大臣)
 その辺は、必ずしもそれだけで合理的な理由と言えるのかどうかは、議論のあるところだと思います。試験の制度からすれば、私個人は、それはあまり合理的な理由ではないと思います。ただ、助成金はルールがしっかりしていますから、そのルールに基づいてしっかりと行われることになると思います。
記者)
 そうすると、今把握されている範囲では合理的な理由は分からないという感じでよろしいのでしょうか。
大臣)
 そうですね、その辺はきっちりと聞いてみたいと思います。私が直接聞くのは時間的に無理ですが、やはりそこが一番の問題なのではないでしょうか。


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