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2008年07月23日

中教審・大学分科会、2つの答申案を審議

■高等教育政策情報(第37号 2008/7/22)より

大学分科会(第69回)について
~2つの答申案を審議、分科会長へ一任~

 
 7月8日(火)、中央教育審議会大学分科会(分科会長:安西慶應義塾長)第69回が開催され、1.教育振興基本計画等について、2.各部会等の審議状況について(1)「学士課程教育の構築に向けて(答申案)」、(2)「高等専門学校教育の充実について(答申案)」等について、報告及び意見交換が行われました。

 1.において、教育振興基本計画(閣議決定)及び骨太2008の紹介が行われ、安西分科会長からは、「教育振興基本計画をめぐる議論の中で、高等教育が大事だということが、浮き彫りになった。計画の14ページ『この5年間を高等教育の転換と革新に向けた始動期間と位置づけ、中長期的な高等教育の在り方について検討し、結論を得ることが求められる。』の部分は大学分科会に向けたものと認識している。今後、大学分科会では、具体的な議論を積み上げてまいりたい。」という旨の発言がありました。

 2.(1)「学士課程教育の構築に向けて(答申案)」は、「知識基盤社会」における大学教育の量的拡大を積極的に受け止めつつ、教育の質の維持・向上を図ろうとする基本的な考え方に立っています。この中では、①学位の授与、学修の評価、②教育内容・方法等、③高等学校との接続、④教職員の職能開発、⑤質保証システム の各節にわたり、改革の具体的な方策について提言を行っています。
 分科会では、地方における大学の役割の重要性、自己点検・評価の未履行に対する厳格な対応、高等教育の財政支援の必要性に関する記述を追加して欲しい等の意見がありました。

 2.(2)「高等専門学校教育の充実について(答申案)」は、高等専門学校の振興方策について、高等専門学校を巡る社会経済環境の変化を分析するとともに、このような変化に対応した高等専門学校教育の今後の在り方及びその充実に向けた具体的方策を示しています。 分科会では、高等専門学校教育の充実のためには財政支援が欠かせない等の意見がありました。
 両答申案は、修正について分科会長に一任され、今後開催される予定の中教審総会に諮られる予定です。
 その他、留学生特別委員会の審議状況について、「「『留学生30万人計画』の骨子」取りまとめの考え方」の説明があり、委員からは、同計画の実施に向けた財政支援の必要性や大学の自主的な取組の必要性等について意見が出されました。


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