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2008年07月10日

千葉大学、テニュア・トラック制導入の問題点

千葉大学ユニオン
 ∟●ユニオンニュース、第39号(2008 年6月25日)

テニュア・トラック制について:その問題点

 平成20 年度科学技術振興調整費「若手研究者の自立的研究環境整備促進」プログラムに、千葉大学から申請されていた「優れた若手研究型教員の人材育成システム」が採択されました。
 「若手研究者の自立的研究環境整備促進」プログラムとは、「若手研究者が自立して研究できる環境の整備を促進するため、世界的研究拠点を目指す研究機関において、テニュア・トラック制(若手研究者が、任期付きの雇用形態で自立した研究者としての経験を積み、厳格な審査を経て安定的な職を得る仕組みをいう)に基づき、若手研究者に競争的環境の中で自立性と活躍の機会を与える仕組みの導入を図る」ことを目的とするものです。
 これによって優秀な若手研究者が安定した環境で研究を行うことができるとすれば、一見望ましい制度のように見えるのですが、ここには看過しがたい矛盾が含まれています。テニュア・トラックとは、プログラムの公募要領にもあるとおり、「審査を経て安定的な職を得る仕組み」を指すはずです。しかしながら、現段階においては、千葉大学の一部の部局では任期制を導入しており、この分野でかりに優れた業績を上げてテニュア准教授(教授)に任用されたとしても、そこに待っているのは「安定的な職」ではありません。…


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