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2008年07月14日

国大協・公大協・私大連合会、採用選考活動の早期化の是正に関する要請について

国大協
 ∟●採用選考活動の早期化の是正に関する要請について(平成20年7月9日)

平成20年7月9日

要 請 書

社団法人日本経済団体連合会
御手洗 冨士夫 殿

社団法人国立大学協会 会長 小宮山 宏
公立大学協会 会長 佐々木 雄 太
日本私立大学団体連合会 会長 安 西 祐一郎

我が国の大学は、これまで学生並びに社会の多様なニーズに応えるため、個々の大学が保有する機能や期待される役割を十分に踏まえた教育研究活動を展開し、我が国の発展を支える人材育成の中核として、その使命を果たしております。このような教育研究活動を一層推進するため、大学における主体的な教育内容・方法等の改善や学習成果に対する評価の在り方など、教育の質の確保に向けた取り組みを実施しております。
これまでも貴団体におかれましては、私ども大学における教育の質の確保に向けた取り組みにご理解をいただき、採用選考活動については「倫理憲章」を策定・公表され、広く周知徹底をいただいているところですが、依然として改善が求められる状況です。
企業における採用選考活動の早期化は、正課教育及び正課外教育等、学生が能力・資質を高めるための貴重な「学び」の時間を奪うことに繋がり、大学教育及び大学院教育に悪影響を及ぼすほか、教育機能や学位の質の維持・向上を阻害する要因となっております。また、このことにより、十分な教育を受けることができないまま学生を社会に送り出すことは、教育機関として憂慮しなければならない問題であり、大学が果たすべき使命の遂行が困難になります。
昨今の採用選考活動の早期化は国際的に見ても異常で、この状況が改善されなければ、大学教育に対する悪影響に止まらず、多重内定がもたらす採用選考活動の複雑化、さらには新卒者の早期離職の増加などが助長され、我が国全体として受ける損失は計り知れません。
このことから、我が国の大学を代表する立場として、下記のとおり要請しますので、貴団体に加盟の企業に対し周知徹底いただくとともに、学生の就職活動に関し、引き続きご支援いただきますようお願いいたします。

1.学部学生及び大学院学生の正常な学習環境を確保するため、卒業及び修了学年当初及びそれ以前の学生に対する実質的な採用選考活動を厳に慎み、採用選考活動を早期に開始しないこと。
2.可能な限り休日や祝日等、例えば長期休暇期間に行う等、大学の教育活動を尊重した採用選考活動を行うこと。
3.正式内定日は卒業及び修了学年の10月1日以降とし、正式内定開始前の9月30日以前に内定承諾書、誓約書、連帯保証書の提出を求める等、学生の自由な就職活動を妨げ、心理的な負担となる拘束を行わないこと。また、内定後に内定式や入社前研修等を行う場合には、学生の学修に支障がないよう配慮すること。


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