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2008年10月22日

異常な日本の高学費を問う

■「意見広告の会」ニュース456より

異常な日本の高学費を問う

自由の風MNより  http://comcom.jca.apc.org/freedom/
     
 先日駅で退職前に教えた、現在20歳になるA君にバッタリ会いました。今年の春、お菓子の専門学校を出て、地域でも美味しいと評判の菓子店で働いているとのことでした。会話の中で手取りの給料を聞きましたら「約11万円」とのことでした。細かい概算は一緒に働く友人もいたこともあり、立ち話でしたのでそれ以上聞くことはできませんでした。

 3月末には、「就職前に先生と一杯やりたい」と連絡があったB君は、専門学校に3年間通い「奨学金として借りた500万円」(有利子返還)を抱えて、4月から社会人で頑張るとのことでした。

 私自身の大学入学は、今から46年前の1962年です。たまたま国立でしたので年間は授業料は12000円でした。自宅からの通いであったこともあり、小遣いは家庭教師で、授業料は半期6000円は、部活(ラグビー部)を2~3日休み、臨時の 肉体労働で稼ぎ出していました。

 現在の学生の置かれた状況は下記に書きましたが、異常な学費値上げで多くの学生は悲鳴をあげています。教え子の悲鳴を自分のものとして、まわりの地域に訴え若者を支える連帯をつくりあげようではありませんか。

異常な日本の高学費を問う

世界の多くの国は「学費無償化」に進んでいます。日本は、逆に異常な学費値上げで多くの学生が悲鳴を上げ、学費が払えずに途中退学せざるを得ない学生が急増しています。

大学の初年度納付金を1970年度と2007年度の比較では、物価は約3倍ですが、 私立大学5,7倍(約130万円)、国立大学51,1倍(約80万円)の値上げです。最大の原因は、政府の貧困な教育政策です。高等教育予算の水準(国内総生産に占める割合)は、経済協力機構(OECD)加盟国全体の平均5,0%に対し、3,4%で28カ国中、最下位です。政府は「学費は、教育で利益を受ける学生本人が負担する、『自己責任論』」を押し付けています。多くの学生が重い負担で、アルバイトに追われ、生活費の切り詰めで、十分に学べず精神的にも追い詰められています。「構造改革」の名でつくられた「貧困と格差」の拡大は、高校、大学から締め出される若者の急増や、在学中から重くのしかかる奨学金返還の不安で一杯です。現実に大学を卒業しても、数百万円の借金を抱えて社会に飛び立つ破目になります。社会に出ても、正社員では長時間労働の「過労死」の心配が、「請負、派遣」の非正規社員では、年収二百万円「満の低収入の過酷な現実が待ち受けています。政府は、憲法が定める「教育を受ける権利」を保障すべき責任があります。

「受益者負担論」に惑わされることなく、「授業料減免」や「無利子奨学金枠拡充」の改善を推し進める要求の声を若者に連帯して大きくしていこうではありませんか。 


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