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2008年11月28日

北陸大学教職組、理事会の方針の誤り 無試験入学制度の導入

北陸大学教職員組合
 ∟●組合ニュース、第277号

理事会の方針の誤り:無試験入学制度の導入

教育現場軽視の昨今
 2008年9月2日(火)に薬学部で教授懇談会が開催された。次年度から開講される「実務実習事前学習」(90分×122コマ)の担当者と実施場所を捻出する"懇談"であることが出席して初めてわかった。3年前の6年制薬学部スタート時点で必要であることが指摘されていた実務実習担当教員と場所の確保に対して、「実務教員の補充はしない、新たな講義・実習室の予算措置はない」との「上からの方針」に、仕方なく担当者と場所を他実習から絞り出そうというワケである。
 10月10日(金)に教員"懇談会"が開催された。この時もいつものように事前に議題は知らされなかった。河島理事が、「12月1日に『北陸大学附属太陽が丘ほがらか薬局』を開局する。薬学部教員をそこに出向させる」との方針を示し、事実上、"懇談"ではなく通達であった。席上、多くの質問、意見、疑念、反発があったのは当然である。現在取り組んでいる学生教育、OSCEトライアルへの予算カット、実務実習事前学習へのまともでない上記の対応など、教育への配慮を欠く経営姿勢にも不満の声があがった。これに対して大屋敷学長は「薬学部の教員の数が多すぎる」と述べた(事実に相違する=組合ニュース276号参照)。また、11月14日、第11回教授会冒頭には、学長は「授業充実改善のための学生アンケート」を2回実施するように命令した。意味のない2回実施に反対の意見と、膨大な学生・教員の時間の浪費に配慮する姿勢はなく、トップの意向を頑なに下ろす伝令の役目のみが顕著であった。本学のトップには、学生の教育を強化手当して、教員の努力を支援しようとの姿勢はみえず、寧ろマイナスを来す負担増ばかりが目立つ。
 本学はここ数年、薬学部志願者の激減及び薬剤師国試の不振、未来創造学部における日本人志願者減少など、凋落方向へと加速している。これは教員の努力不足の所為であろうか。否、そのようなことでは決してない、そのことは誰もが知っている。大量学生増と無試験入学制度(全国全高校の指定校化)の導入による信用の失墜である。何れも教員の負担が増加するだけで状況の改善を害するばかりの施策である。そして、このまま推移すればどうなるか、誰もが憂えている。
 このような運営方針を独善的に決め、「従え」と命令したのは理事会である。結果、定員割れという大学の存亡に関わる事態を招来した。この重大な局面にありながら、理事会は自らの施策を検証することも、改めることも、責任をとることもしていない。それどころか、この間、理事の報酬は増額されているのである。一方で教職員の待遇はこの6年間、1度も改訂されていないばかりか、毎年、毎回、賞与が減額され、元々ワーストクラスだった水準は悲惨な状況に陥っている。多少の不満は学生のためにと自制して、過重負担に耐え献身してきた教職員の生活は貧窮の極みに堕ちつつある。そしてこの数年、理事会は国試不振・定員割れの責任を教職員に押しつけようと画策している。この事態を改善しようとする教職員組合に対して、理事会は、見せしめ的に教員の教育する権利を剥奪し、または、解雇をするという不当労働行為・支配介入、組合員差別を続けている。
 本学をこのような事態に陥らせた理事会の責任は免れえない。以下に理事会の致命的失策のひとつ、入試制度について述べ、組合はその正常化を要求する。……


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