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2008年12月22日

富山大学、学長選考会議決定に対する理学部・経済学部・人文学部教授会声明

学長選考会議決定に対する経済学部教授会声明
富山大学理学部教授会声明
富山大学人文学部教授会「教授会声明」

学長選考会議決定に対する経済学部教授会声明

 富山大学経済学部教授会は、先の12 月4 日の学長選考会議の決定を、大学の自治への挑戦であり、かつ本大学の正常な運営をおびやかすものとして、強い憂慮の念を表明するものである。

 今回の選考会議に先立ち、2回にわたって教職員による意向投票が実施された。いずれの投票においても、得票数の首位は平井美朗氏であり、第2 位が倉知正佳氏、西頭徳三氏は最下位であった。また、第1次意向投票の得票率は、平井候補が43.3 パーセント、倉知候補が34.8 パーセント、西頭候補が21.9 パーセント、第2次意向投票の得票率は、平井候補が58.0 パーセント、倉知候補が21.4 パーセント、西頭候補が20.5 パーセントであった。首位と最下位の候補の票数の差は歴然である。他の国立大学でも、選考会議が意向投票の首位の候補を選出しなかった例はあるが、3位以下の候補が選出された例はなく、今回のように首位との大きな得票の差がある候補が選出された例もない。学長選考会議は、意向調査の結果を真摯に受け止め、尊重して学長を選考する重い責任を負っているはずである。選考会議が最下位の候補を学長として指名したことは、意向投票の結果を明らかに無視するものとみなさざるをえない。

 国立大学法人法では,選考会議は,学内委員と学外委員が同数と定められており、選考会議が学長を選考する権限を持つこととされているが、同法は、憲法23 条が保障する「大学の自治」(「人事の自治」を含む)を尊重する観点から解釈・運用される必要がある。この趣旨は、衆・参両院の付帯決議においても確認されている。

 この点からすれば、学内委員の意見と学外委員の意見とが対立した場合には、学内委員の意見を尊重するのが当然である。また,教職員の意向投票が実施され、そこに教職員の明白な意思が表明されている場合には,その結果を尊重するのが当然である。もし、学外委員が、学内委員の多数意見と,意向投票の明らかな結果の両方を真っ向から否定するような形で学長を選ぶとすれば、憲法23 条および衆・参両院の付帯決議の趣旨に反することは明白である。

 以上の点から、われわれは、選考会議が、教職員の多数意思および学内選考委員の(多数)意思に反して、結果を出したことに強く抗議するとともに、選考会議の決定は無効であると考える。われわれは、選考会議の各委員に対し、今回の選考結果について、教職員に対して十分な説明責任を果されることを強く望むものである。

2008 年12 月10 日
富山大学経済学部教授会


[新聞報道]
富山大、学長選考に異議、教授会が声明 「就任辞退」理学部も

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