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2008年12月02日

『型破り』より成果優先、弱体化する基礎研究

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008120102000206.html

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 国立大が独立行政法人化された二〇〇四年度以降、各大学の教育・研究経費となる運営費交付金は毎年1%ずつ減らされた。代わりに文部科学省や経済産業省などからの研究費の獲得競争が激しくなっている。

 こうした研究費は、実用、応用の可能性の高いバイオ、再生医療、宇宙などの分野に集中しがち。自然の原理や法則を追究する基礎研究の分野でも、早い成果を求めて「まず論文を」と、大学内で突き上げが厳しくなっている。

 小林、益川を生んだ名古屋大理学部にもその波が押し寄せる。特任講師、藤博之(35)は「論文数で評価される時代。練りに練った研究がやりづらい。過度の成果主義は基礎研究の素粒子理論になじまない」と漏らす。

 そうした時代への警鐘なのだろう。益川はノーベル賞受賞決定後、こんな言葉を口にする。「今のような基礎研究の状況が続くと、五十年、百年後にどうなっているか。考えてほしい」


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