2008年12月02日
横浜市大、留学生進級英語試験の替え玉問題 制度設計が問題ではないか
■大学改革日誌
∟●最新日誌(12月1日(2))
■(ニュース)横浜市大の留学生2人、進級英語試験で替え玉
なぜ3月に発生した事件がこの時期になって、ニュースとなったのかわからないが、下記の読売新聞ニュースが巷間、話題となっていた。不正を働くものを適正に処罰するのは当然として、なぜそのようなことが発生するのか、問題の根源に関しても、よく吟味する必要がある。そのひとつの原因に、学生の専門分野・将来の進路・希望の有り様を無視した画一的な進級基準の問題性があろう。「PE重視」が、PEの「画一基準の強制」になってしまっている。
PEの一科目だけのために、2年間も留年し、さらにまだ何年も留年しなければならないとしたら、その経済的負担たるや恐るべきものではなかろうか?あるいは、あきらめるとすれば、これまでとってきたすべての科目が無駄になるとしたら、4年(2年次に2年間留年したものは4年間在籍したことになる)におよぶ全投入はどうなるのか?
なぜ、中国から日本にやってきた留学生に実用英語資格と称してTOEFL500点(TOEIC600点)等を一律に課す必要があるのか?そのカリキュラム上の必要性・必然性はどこにあるのか?
制度発足当時の官僚的なやり方が、その後の諸問題の発生にもかかわらず放置されてきたことと関係していることは否定できないであろう。処罰の厳格化で問題を処理しようとしても、根底にある問題性が解決されない場合には、同様のことが再発するであろう。
制度設計を行ったもの、その制度設計を今日まで頑強に(代議員会等でのたくさんの意見にもかかわらず)堅持してきた責任ある人々・組織に対して、問題は投げかけられているであろう。
ときあたかも、4年次生に対するアンケート調査の実施中である。4年間の経験から、学生諸君がしっかりとアンケートに経験・その問題性・解決すべき課題・改善の方向性に関しても、意義ある回答を書いてほしいものである。
また、昨日だったかのニュース(神奈川新聞)では、医学部の「名医」の教授(52歳)の辞職についても、報じられている。「辞職させないように」と求める多くの患者の署名活動もあったことが報じられている。公式には関係ないとされるが、医学部長、副学長の辞職問題と関連しているであろう、とは、これまた巷間の噂である。