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2008年12月09日

首都大学東京労組、密裏に進められた「学長選考」に怒りをもって抗議する

首都大学東京労組
 ∟●手から手へ、第2513号

密裏に進められた「学長選考」に怒りをもって抗議する

2008.12.5 公立大学法人首都大学東京労働組合 中央執行委員会

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 驚き、かつ憂慮すべき事態である。
 12月4日付で「首都大学東京 次期学長予定者の選考結果について」という文書が、「首都大学学長選考会議」名で発表された。それによれば、11月10日を第1回として17日、27日そして翌28日のわずか4回の会議、たった18日間で次期学長予定者が決まったそうである。
 この間、我が組合は、2008年11月26日付の中央執行委員会声明「次期学長選考に関する組合からの要望」で明らかにしてきた通り、選考手続きの策定と公開、複数の候補の選定と公表、学内の教職員、学生の意向聴取の機会の設定を要望してきた。また、それに先だって、都市教学部代議員会からも、選考手続きの公開の要望も出されていた。
 それらに一切応えることなく、しかも、最初の会議で、「公正かつ慎重を期すため、学長予定者を決定するまでの間、選考会議での経過や決定事項等の情報については委員限りとしたい」との信じがたい決定がなされていたのである。なぜ、「選考会議での経過や決定事項等」を公開すると公正が保てないのだろうか。私たちは教職員、学生の多くの当然の希望、要望に応えなかったことと、上記のような密室主義に強い怒りをもって抗議する。


候補者自体をおとしめてしまう選考過程

 私たちは「予定者」となった原島文雄氏自体の適不適を問題にしているのではない。
 いったい選考会議は、こんな経過で学長に選ばれた氏が学内の信頼と共感を得られると考えているのだろうか。あるいは原島氏を候補のひとりとして事前に公表した場合に、学内の賛同が得られないと決めてかかったのだろうか。
 もし、そうであるならば原島氏を非常におとしめていることに気がつかない選考会議の資質、見識こそが疑われる。
 しかも、泥縄としか思えないような決められ方をした「運営内規」第7条によれば、学長候補者を推薦できるのは「選考会議議長ただひとり」なのである。他の委員はただたんに示された候補者にたいする意見を述べるだけの存在なのである。今回は学外の清成委員が就任した議長が推薦できるほどに知らない人は、この大学の学長には決してなれない仕組みになってしまったのである。
 多くの困難な課題を全学一致して取り組まなければならない現在の本学のリーダーをこのような乱暴、不見識な手続きで「決定」したこと自体が全学の相互協力を難しくするのではないだろうか。……


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