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2009年01月28日

1.21学長選考問題を考える富山大学全学集会 決議

富山大学発 日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会
 ∟●学長選考問題を考える1.21全学集会とその後の経過

1.21学長選考問題を考える富山大学全学集会 決議

大学の自治、そして大学の自主的・自律的運営をまもるため、次のことを要求します。
一、富山大学学長選考会議は、昨年12月4日の決定を取り消すこと。
一、西頭学長は、次期学長への就任を辞退すること。
一、学長選考会議の構成と学長選考規則を抜本的に改めること。

 富山大学学長選考会議は、昨年12月4日、11月に二度にわたって実施された学内教職員による意向調査の結果とは大きく異なる決定を下し、いずれの調査でも最下位で、2割の支持しか得られなかった西頭現学長の再任を決定しました。この決定に対して、西頭学長は、すぐさま次期学長として留任する意向を表明していますが、これまでの大学運営についての具体的な反省も、今後どのようにして富山大学を運営していくのかについての具体的な方針もまったく示していません。
 これに対して、人文学部、経済学部、人間発達科学部、理学部、医学部の各教授会は、学長選考会議の決定が二度にわたる教職員の意向調査結果を無視するものであるとの見解を表明し、薬学部教授会も、「意向調査の結果は、本学教職員の大多数(投票者の約8割)がこれまで3年間の大学運営に対して、学長を含めた現執行部にはっきりと不信任を示したものである」との認識を示しています。
 こうした動きに対して西頭学長は、選考会議の決定を受諾して以降、学長選挙に立候補した他の候補や各学部の学部長に対して、繰り返し非公式の接触を図り、次期執行部への協力要請を行うなど、学長として留まるための体制作りを急いでいます。密室のなかで執行部人事を画策するこのような学長側の動きは、意向調査で示された8割近い教職員の批判に真摯に耳を傾ける姿勢がないことを示しています。これに加えて、12月末、山森監事が、抗議声明を決議した学部教授会に対して、声明の内容にまで立ち入った監査請求を行っていることが新たに発覚しました。こうした教授会への監査は、監事の監査権限を濫用し、大学の自治を侵害し、大学の構成員による正当な異議申し立ての権利を不当に抑えつけるものと言わなければなりません。 1
 こうした事態に対して、私たちは、本日、学部の枠を超えて全学集会をもちました。そして、意向調査がなぜ現学長の再任に対して圧倒的多数をもって「否」の意思表示をしたのか、学長選考会議ではどういう審議がなされたのか、12月の選考会議以降、水面下で一体どのようなことが起きているのかなど、学長選考とその後の動向について情報を共有するとともに、学長選考のありかたや現執行部の大学「改革」路線の是非、さらには大学の自治や学問・研究・教育の自由に関わる諸問題についても幅広い議論を行いました。
 その結果、意向調査の結果を無視した学長選考会議の決定は憲法及び国会の付帯決議の趣旨に反するものであるだけでなく、その議事手続きには富山大学学長選考規則違反が認められ、したがって学長選考会議はその決定を取り消すべきこと、西頭学長は次期学長への就任を辞退すべきこと、そして今回のような事態を再び招かないため、学長選考会議の構成と学長選考規則を、大学の自主的・自律的運営を保障するものに抜本的に改める必要があること、これらの点で一致するに至りました。

2009年1月21日 1.21 学長選考問題を考える富山大学全学集会


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