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2009年01月19日

教授会開催せず、札幌大谷短大 一部で意思決定 国が是正求める

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/education/141151.html

 専任教員の事実上の不足で文部科学省から学校教育法に基づく改善指導を受けた札幌大谷短大がこの数年、教授会を開催していないとして、同省から是正を求められていたことが十六日分かった。重要事項の決定は専任教員の一部で会議を開いた後、残りの専任教員に文書を回し同意を求めるだけだった。

 教授会開催を義務付ける法律はないが、文科省は「教授会は学校運営を決める重要な会議。開催しない大学や短大は聞いたことがない」と指摘している。

 関係者の話では、四年制の札幌大谷大学が開校した二〇〇六年以降、教授会を開催していなかったとみられる。文科省によると、同短大では多くの専任教員は講義や実技指導だけのため週に二、三日出勤。短大側は「特別専任教員」と位置付けていたが、勤務実態は非常勤だった。このため全員が出席する会議開催のめどが立たず、常勤の一部教員だけで形式的に会議を開催。その内容を文書にまとめ、特別専任教員に同意を求めるだけで、重要事項を決めていた。

 特別専任教員は入試や卒業判定などにもかかわっていなかった。特に入試などの際は人手不足が目立ち、文科省大学入試室によると、昨年二月の入試(政治経済)では、誤って〇六年に実施した試験問題を配布するミスをしていた。

 札幌大谷大学・短大の加藤久豊事務局長は「特別専任教員は出席しないとはいえ、会議は教授会と認識していた」と主張。これに対し、文科省大学振興課は「教員の間で意思疎通を図り、意思決定をするのが教授会の役割。一部の教員だけで会議を形式的に開いても、教授会とは認められない」としている。


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