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2009年02月06日

平成19年度決算集計からみた私立大学・短期大学の財務状況

日本私立学校振興・共済事業団
 ∟●月報私学 2月号(No.134, 2009)

平成十九年度決算集計からみた大学・短期大学・高等学校の財務状況

 平成二十年十二月に私学事業団では、平成二十年度版「今日の私学財政」を刊行しました。今回は学校法人が安定的かつ永続した経営を追求するために欠かせない帰属収支差額を中心に分析しました。
 毎年捻出される帰属収支差額は、当該年度における借入金の元金返済や施設・設備にかかる支出に充てるとともに、その残余を将来の安定経営に資するための財政体力の強化の源泉としなければならないものです。

1 法人別の財務状況
(1)大学法人
 大学法人は主に短期大学の四年制大学化により法人数が大幅に増加しています。対四年度比の趨勢率で帰属収入は一四一・三%に対し、消費支出は一五七・八%とどちらも大きく伸びていますが、支出が収入の伸びを上回っているため、結果として帰属収支差額の趨勢率は五二・三%と半減しています。表1の帰属収支差額比率は四年度の一五・六%から五・八%へと大きく減少しており、少子化による法人規模の縮小とともに、支出の減少割合が収入の減少割合に追いつかない状況となっていることから、帰属収支差額比率の悪化傾向に歯止めがかかっていません。
 表2によると、帰属収支差額比率がマイナスの割合は五二七法人中一八二法人、三四・五%と三法人に一法人がマイナスという状況です。そのうち三九法人はマイナス二〇%以下という状況です。

(2)短期大学法人
 一方の短期大学法人は大学法人とは逆に法人数が大きく減少しています。対四年度比の趨勢率で帰属収入は三三・九%に対し、消費支出は四五・二%とどちらも大きく減らしていますが、収入の減が支出の減を上回っているため、帰属収支差額の趨勢率は一・九%とマイナス寸前の状態となっています。表1の帰属収支差額比率は四年度の二六・〇%から一・四%へと大きく減少しています。大学法人以上に収支状況が厳しくなっています。
 表2によると、帰属収支差額比率がマイナスの割合は一三六法人中六四法人、四七・一%と二法人に一法人がマイナスという状況です。そのうち九法人はマイナス二〇%以下という状況ですが前年度の一八法人よりは減りました。
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