研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2009年02月09日

大阪工大、『科研費不正』で元講師懲戒 解雇撤回 2600万円支払い

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009020702000208.html

 国などからの科学研究費補助金(科研費)を不正使用したとして懲戒解雇された大阪工業大(大阪市旭区)の元男性講師(43)が、解雇の無効確認と約三千万円の未払い賃金支払いを求めた訴訟は、大学側が懲戒解雇を撤回し、解決金二千六百万円を支払うことで大阪高裁(島田清次郎裁判長)で和解したことが七日、分かった。

 一審大阪地裁は請求を棄却したが、和解は「逆転勝訴」といえる内容。元講師が自主退職した形とし、解決金には退職金七百万円が含まれている。和解成立は昨年十二月一日付。

 一審判決などによると、元講師は応用数学が専門。二〇〇〇-〇四年度に受領した科研費計五百五十万円から、データ整理などをした学生への謝礼として計約五十万円を支出。約五十万円の大半を学生らとのサークル活動費に充てるため自らの口座で預かった。

 科研費の使用に不正があるとの内部告発に基づき調査した大学は、〇五年七月、「学生は研究のための何の作業もしていない」として懲戒解雇にした。

 元講師側は「仕事の実態はあった」と主張したが、一審大阪地裁は〇七年に「作業は研究と関連性がない」として訴えを退けた。元講師側は控訴審で「事務処理のミスはあったが懲戒解雇は厳しすぎる。大学の調査も強引だった」と強調した。

 大阪工業大を運営する学校法人常翔学園の話 和解した事実以上のコメントはすべきでないと考えている。

経理は機関管理を

 元講師の代理人岸本由起子弁護士の話 研究に必要な作業かどうかは事務職員では判断できず、科研費の使途は、研究者の裁量が大きくならざるを得ない。支払い方法が研究者に一任されていたため混乱した。経理は機関管理すべきだ。


[同ニュース]
大阪工大が解雇を撤回し和解 元講師に2600万円支払い

|