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2009年04月21日

中教審大学分科会、法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(報告)

■文科省
 ∟●法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(報告)

法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(報告)

はじめに

1.法科大学院特別委員会においては,法科大学院修了者の質が十分ではないとの指摘が一部でなされ,法科大学院の教育の在り方についても問われる中で,認証評価機関による評価の結果,各法科大学院に対する実態調査,関係機関の見解等の検討や法曹関係者からのヒアリングなどを行い,現状の正確な把握に努め,以下のような認識に至った。

(1)新しい法科大学院制度を総体としてみれば,司法制度改革で期待されている役割を果たすため,多くの法科大学院において理論と実務を架橋する教育課程の整備が着実に進み,法科大学院を修了した司法修習生の素質・能力も司法修習生の指導に携わる関係者からは,全般的に従来に比べて遜色はないばかりか,以下のような優れた点が見られるとの評価がなされている。
① 自発的・積極的な学修意欲が高いこと
② 学修のための方法論を身に付け,判例や文献等の法情報調査能力が高いこと
③ コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力に優れていること
④ 法曹倫理の学修等を通じて法曹の果たすべき社会的使命についての確かな理解を得るに至っていること
⑤ 法律基本科目だけでなく,実務に有用な知的財産法,経済法など多様な分野についての学識を有していること

(2)しかしながら,法科大学院についての認証評価の結果や司法修習生考試の結果などを踏まえると,法科大学院における教育の実施状況や法科大学院修了者の一部について,以下のような問題点が認められ,これらの速やかな改善が必要とされている。
① 基本分野の法律に関する基礎的な理解や法的思考能力が十分身に付いてい
ない修了者が一部に見られること
② 論理的表現能力の不十分な修了者が一部に見られること
③ 各法科大学院における法律実務基礎教育の内容が不統一であること

2.このため,本特別委員会においては,法科大学院における教育の質の一層の向上を図るため,法科大学院における教育の質の保証の在り方について,法曹関係者を含めた幅広い関係者の参画を得て,ワーキング・グループを設置し,集中的に審議を進め,以下のような改善方策をとりまとめた。

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