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2009年05月07日

北陸大学教職員組合、労働委員会の闘い勝利

北陸大学教職員組合
 ∟●組合ニュース、第 285 号 2009.5.1 発行

労働委員会の闘い勝利

 労働委員会を舞台にした組合の闘いは勝利した。法人の不当労働行為に対する4年間の闘いであった。事件の始まりは6年制薬学部スタート(2006年度)の前である。薬学部で3人の組合員教員が6年制担当から外された。理事面談で、「組合活動を理事長に謝罪しなければ6年制担当にしない」と、明確に言い渡された者もいた。組合の弱体化を目的に、法人が見せしめ的に行った差別であった。組合はこの行為を、組合弾圧の不当労働行為・支配介入であるとして、石川県労働委員会に救済を求めて提訴した。
 石労委は組合の主張を全面的に認め、2007年4月23日、不当労働行為に対する救済命令を出した。しかし法人は、この命令を不服として、中央労働委員会に上訴した。中労委は熱心に和解を勧めた。法人は中労委に於いて何の主張もしないまま、結局、河島学長(当時)の証人尋問の直前になって和解を言い出した。和解の交渉は極めて策謀的であったが、2008年2月12日、組合側は早期解決を優先し和解に応じた。直後から法人は和解条項の歪曲を画策するという醜態を演じたが奏功せず、結局、組合は、和解条項履行期限の2009年3月末を前に、当該教員の復帰を勝ち取った。蛮行は大学の空気を陰湿にし、費用とエネルギーを空費した。
 この間、当事者教員は組合員各位の真摯な激励と支援によって闘い抜くことができた。心から各位に感謝を申し上げたい。組合は、この勝利が、誰もが臆することなく批判し、意見を発し、組合設立の目的である大学の民主的な運営を実現して、世間に信頼される優れた大学に発展していくための行動の基盤となることを期待して勝利宣言としたい。
 和解条項の1に、「大学及び組合は、これまでの長期にわたる労使紛争の経緯を踏まえ、本件が当委員会における和解により解決したことを確認し、今後、大学の健全な発展及び労働基本権の尊重を旨とし、信頼と理解を深め、労使間の諸問題について早期かつ平和裡に解決を図り、良好な信頼関係を築いていくことに努める。」とある。しかるに、法
 人は、労基署の指導を受けるまで休日出勤等の手当を支払おうとはしなかった。この事実は、今に至っても、法人が労働基本権を尊重する精神を具有していないことを示すものである。その欺瞞的な姿勢は、次に述べる解雇無効確認訴訟の法人側証人尋問においても、あからさまに露呈した。……


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