研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2009年05月26日

鹿国大不当解雇事件、まだ終わっていない! 新理事長に期待をかけられるか?

チビログ
 ∟●理事長デビューは3教授事件終結の証し?

理事長デビューは3教授事件終結の証し?

 4月1日付けで津曲学園の新理事長に創立者の孫の津曲貞利氏が就任したことをチビログに書きましたが、5月6日の南日本新聞の『かお』欄に新理事長が登場しました(2009.5.6南日本新聞)。
 5月20日には、鹿児島国際大学で新理事長の「就任あいさつ」が執り行われます。
 以上の経過が示していることは、学校法人津曲学園のなかでは、3教授事件はすでに終わったということです。

 学園は、確定判決が命じる法的責任をすべて果たしました。これで、新理事長を迎えるための地ならしはすみました。
 判決主文は、(1)3教授が雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認し、(2)未払い賃金の支払いを命じ、(3)訴訟費用はすべて学園側の負担とする、としています。
 損害賠償については、3教授から請求されていないので、する必要はないわけです。謝罪するしないは学園の自由!
 なるほど、3教授が今後、損害賠償などの最終解決を求めなければ、学園としては、一件落着です。

 あとのこと、八尾教授と馬頭教授の処遇は、学内問題として、瀬地山学長に一任しました。

 永田前理事長にとっては、故菱山理事長(事件当時は学長)がおこした3教授事件です。他人事だと思っていたのに、菱山氏の死去によって理事長のお鉢が回ってきたのは、突然降りかかってきた災難でした。津曲家の後継者、貞利さんが登板するまでのワンポイントリリーフですから、当然、最低限のことしかしません。

 結局、3教授事件のすべてに責任があった菱山前学長・理事長が亡くなった以上、「誠実に対応する」という言葉だけで実際にはなにもできない津曲学園にこれ以上の「誠意」を期待しても無駄です。3教授が求めているのは学園の公式謝罪による名誉回復ですが、それを実現するためには、損害賠償を求めてもう一度裁判に訴えるしかありません。

 学園の責任とは別に、さらに問題なのは、事後処理を丸投げされた大学の瀬地山学長です。裁判で解雇は「無効」とされたのですから、八尾教授と馬頭教授の身分が、解雇される前日の経済学部所属の教授に戻ることは当然のはずですが、瀬地山学長にその気はなさそうです。

 学長は、今のところふたりを「学長気付」にしていますが、そのあとは、国際文化学部の所属にするつもりだと半ば公言しています。伝聞の伝聞なので発言の詳しい事情はわかりませんが、職員との会議の席でそう言ったようです。

 しかし、本人が拒んでいるのに学部所属を変えるとしたら、大学の自治の慣例に反する暴挙というほかありません。そもそも2人は、経済学部の専門科目の担当者として、経済学部教授会の決定に基づいて公募採用されたのです。学長はなぜ無理を通そうとするのでしょうか。両教授を経済学部の所属にしたくない理由があるのでしょうか。

 瀬地山学長が聞く耳を持たない以上、八尾教授、馬頭教授が新理事長を「表敬訪問」して現在の不当な扱いについて「直訴」し、今後の円満解決を話し合ってみてはどうでしょうか。
 新理事長と馬頭教授とは、馬頭さんほか3人が計画立案し、'92年に開講した経営学科の看板科目「経営特講Ⅰ」の講師に招いて以来の「旧知の間柄」です。先日の入学式で来賓席の貞利さんと目が合ったときに目礼を返してくれたそうです。理事長との会談が実現すれば、事態の打開に向けて道が開けるに違いありません。

 そんなはかない夢を見るほかにすることがない今日この頃です。


|