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2009年06月17日

日本私大教連、声明「教育再生懇談会「第四次報告」が示す教育費負担の軽減方策に賛同する」

北海道私立学校教職員組合(道私教組)
 ∟●6月12日:日本私大教連中執声明

[声明]教育再生懇談会「第四次報告」が示す教育費負担の軽減方策に賛同する

2009年6月12日
日本私立大学教職員組合連合
中央執行委員会

 教育再生懇談会が「これまでの審議のまとめ―第四次報告―」において、「教育安心社会」の実現をかかげ、「教育費(特に就学前と高等教育期)の私費負担が大きく、家庭の所得水準によって進学機会や就学の継続に影響(格差の固定化・再生産)」しているという基本的視点から、具体的取り組みとして「高等教育における授業料負担の大幅削減を目指し、高等教育への公的支援を拡充するとともに、授業料の減免措置の拡充や給付型の奨学金の充実など奨学事業を一層充実する」ことを明確に示したことについて、私たちは賛同の意を表明するものです。
 同報告に添付された参考資料の「公私負担割合」にあるように、わが国の高等教育に対する公財政支出41.2%は、イギリス69.6%、フランス83.9%、ドイツ86.4%に比して極めて低く、OECD平均75.7%をはるかに下回っています。こうした状況の主たる原因は、学部学生数の77.4%を占める私立大学への公費助成が、経常費のわずか11.1%しかないという低い水準に抑制されていることにこそあります。
 学費の国私間格差を国立大学の学費を上げることで縮めるという本末転倒した政策により国立大学生の学費負担が急速に高まっていることも重大ですが、それでもなお私立大学の初年度納付金は国立大学の1.6倍にも上ります(08年度)。また私立大学生の無利子奨学金の受給率は国立大学の15分の8、各大学における授業料減免事業等への公費助成は一人当たり平均額で約2分の1となっているなど、等しく高等教育機関でありながら、その公財政支出には不当な国私間格差があります。
 日本私大教連はこれまで政府に対し、私大助成の拡充とともに、家計への学費直接助成制度や給付制奨学金制度の創設など、学費負担の軽減と教育を受ける機会均等の確立のための諸施策の実施を強く求めてきました。
 私たちは、政府がこの度発表された第四次報告の方向性に沿って、私立学校振興助成法の理念と同法成立時の国会附帯決議の趣旨に立ち返り、私大助成の大幅な拡充を行うとともに、国際人権規約における高等教育の漸進的無償化条項に対する留保を撤回する方向を明確にし、高等教育に対する授業料負担の大幅軽減に向けた公的支援の拡充に踏み出すことを要望するものです。

以上


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