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2009年06月23日

国大協、「安心社会」実現に貢献する国立大学の振興に向けて(要望)

国大協
 ∟●「安心社会」実現に貢献する国立大学の振興に向けて(要望)

「安心社会」実現に貢献する国立大学の振興に向けて(要望)
-活力ある人材育成と教育の機会均等-

要望事項

1 「骨太方針2006」による国立大学運営費交付金の1%削減の撤廃と拡充
2 学生に対する経済的支援の充実(授業料標準額の減額、授業料の減免の拡大、奨学金の拡充など)
3 OECD諸国水準を目指した大学等への公財政支出の拡充

「安心社会」実現に貢献する国立大学の振興に向けて(要望)
-活力ある人材育成と教育の機会均等-

 現在我が国は、深刻な「経済危機」に見舞われています。本協会は、我が国が、この未曾有の危機を克服し、国民の不安を払拭して持続的な発展を図るためには、従来から国立大学が果たしてきた、我が国の知の創造拠点としての役割(国際競争力の源としてのナショナルセンター機能と、地域社会・経済を支えるリージョナルセンター機能)を更に強化・充実することが不可欠であると考えております。
 しかるに、国立大学の基盤を支える運営費交付金は、「骨太方針2006」により、平成23年度までの5年間にわたって対前年度比1%の削減が続けられる予定となっています。各法人ではそれぞれ懸命の努力により対応しているものの、このままでは、遠からず教育の質を保つことは難しくなり、学問分野を問わず、基礎研究や萌芽的な研究の芽を潰すだけでなく、地域医療の最後の砦としての機能や一部国立大学の経営が破綻するなど、我が国の高等教育・研究の基盤が根底から崩壊し、回復不可能な事態に立ち至ることが危惧されます。
 また、経済危機により、大学への進学や修学に向けた学生・保護者の不安は深刻の度を増してきています。国際比較の観点からも、日本の学生に対する経済的支援は極めて貧弱であり、教育の機会均等は大きく脅かされております。
 資源の少ない我が国にとって、優れた高等教育を受けた将来を担う人材は、国力の源泉です。OECD諸国をはじめ諸外国が大学等に重点投資を行い、優秀な人材を惹きつけ、育成しようとしている中で、ひとり我が国だけが投資の削減を続けていては、国際的な競争に打ち勝つことは困難であるのみならず、将来にわたって日本の国力が衰微していく懸念を強く持つところです。現在でも大学等への公財政支出が対GDP比でOECD加盟国中最下位であることは、周知の事実です。このような状態では、国民の望む「安心社会」の実現は期しえません。
 つきましては、国立大学の果たしている役割にご理解を頂き、運営費交付金の削減方針を次年度以降撤廃するとともに、国からの財政的支援をできる限り早期にOECD諸国並みに拡充していただきますよう、お願いいたします。
 さらに、昨今の経済危機の中で教育の機会均等を確保するため、授業料標準額の減額、授業料の減免の拡大、奨学金の拡充などの必要な措置を早急に講じていただきますよう、お願いいたします。


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