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2009年10月14日

東京大学職員組合、国立大学法人化から6年、人事院勧告依存を再検討せよ

東職
 ∟●国立大学法人化から6年、人事院勧告依存を再検討せよ

国立大学法人化から6年・・・
人事院勧告依存を再検討せよ

運営費交付金は、人事院勧告に連動して増減しない

 運営費交付金は、人事院勧告に連動し増減するものではありません。人件費は既に措置されており、当初の予定よりボーナスや本俸が減額されれば、法人側に資金が残ります。例えば夏のボーナス削減で、東京大学には6.6 億円の資金が残されました。これは、4月当初は私たち教職員が受け取るはずだった資金です。もしこれから冬のボーナスや本俸も人事院勧告通りに削減されれば、総額11. 8 億円もの資金が法人の手元に残されることになります。

削減したその先は?いまだ明らかにならない使途
 法人側は、私たちが受け取るはずであった巨額の人件費を、一体何に使うつもりなのでしょうか?夏季一時金交渉で本部人事労務系統括長は、削減分の使途について「人件費に枠があるわけではない。浮いた資金は経営資源として優先順位の高いものに振り分けていく。」と非常に曖昧な説明をしています。「経営資源として優先順位が高い」とは一体何を指すのでしょうか?それは全学の教職員に還元される使い方なのでしょうか?このまま法人側が削減を強行するのであれば、賃金の使途について説明する必要があり、教職員には説明を受ける権利があります。

文部科学省も「人勧準拠すべきという指導はしていない」と発言
 大学側は「給与削減の目標を達成しないと政府からペナルティーがある」と発言していますが、文部科学省は、全国大学高専教職員組合(全大教)に対して「人勧準拠すべきという指導はしていない。賃金・労働条件は労使の自主的交渉によるものである。」と説明しています(8 月26 日)。また「行政改革の重要方針」(平成17 年12 月24日閣議決定)により、「人事院勧告を踏まえた給与改定分」は削減対象の人件費から控除することとされており、文部科学省も「2010 年までに5%削減が行われていれば評価の上で問題とならない。」と説明しています。

「人勧を受けて、社会一般情勢に適応」という説明では、賃下げの合理的理由にならない。
 国立大学教職員は国家公務員ではないため、法人側が労働条件を変更する場合には、不利益変更の合理的理由となる要件を明らかにする義務があります。既に東京大学は、今引き下げを行わなくても、規定の削減目標が達成できる財政状況にあり、「人事院勧告に受けて、社会一般の情勢に適応させる」という理由だけで、就業規則を一方的に不利益変更することは法律違反になります。国家公務員のように、4月に遡っての本俸引き下げ(一時金から差額をカット)も、不利益遡及となるため違法となります。


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