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2009年10月22日

大学評価学会、公開ワークショップ「高等教育における「無償教育の漸進的導入」をどう具体化していくか」

大学評価学会

大学評価学会第29回研究会(公開ワークショップ)のご案内

・日時:2009年11月14日(土)13:30~17:00
・場所:早稲田大学(早稲田キャンパス) 3号館1階103教室
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html
169-8050 新宿区西早稲田1-6-1(地下鉄東京メトロ東西線 早稲田駅 徒歩5分)
・テーマ:高等教育における「無償教育の漸進的導入」をどう具体化していくか
・趣旨:
 国際人権A規約(社会権規約)第13条第2項に謳われた「無償教育の漸進的導入」は国際社会の認識の到達点である。しかし、同項(b)(c)に関して、1979年の批准の際に、日本政府が「規定の適用にあたり、これらの規定にいう『特に、無償教育の漸進的な導入により』に拘束されない権利を留保する」ことを宣言して以降、「有償教育の急進的急騰」が進められ、教育権(学習権)は侵害され続けてきた。
 一方、1990年代以降強まった新自由主義経済政策のもとで、格差・貧困問題が深刻化し、先に行われた衆議院選挙では「構造改革」路線の問題点が厳しく問われることとなった。教育においては、(経済的)格差・貧困がもたらす教育格差(差別)の問題をどう克服、改善していくかが焦点となり、新政権のもとで後期中等教育(高等学校)については「無償化」が現実のものとなりつつある。高等教育(大学等)においては、給付制奨学金制度の創設が課題として共通の認識となってきている。
 このようなもとで、わたしたちが究明すべき課題は、「『無償教育の漸進的導入』を具体的にどう進めていくか」ということである。わたしたちの取り組みは新たな段階に達したと言えよう。
 例えば、「国からの補助金はどのように大学に投入すべきか、直接か間接か」、「大学の管理・運営はいかにあるべきか」、「教職員の給与の水準はどうあるべきか」、「国公立と私立の関係はどうなるか」、「入学金や授業料は漸進的にどのように無償化に向かうべきか」、「奨学金制度のあり方はどうすべきか、給付制の奨学金と無利子・有利子の奨学金との関係をどうするか」、「漸進的無償化は学生の学習にどのような影響を与えることになるか」、「教育・研究内容への影響はどうか」、「民・産・官・学の連携はどうなるか」等々、検討課題は山積みである。
 そこで、本ワークショップでは、さまざまな分野から高等教育における「無償教育の漸進的導入」について、具体的に何を問題にすべきかを議論し、今後の取り組みに生かしていきたいと考えている。
・主催:大学評価学会
・共催:国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会
 全国大学院生協議会
 全日本学生自治会総連合
 日本高等学校教職員組合
 民主教育研究所 (以上、アイウエオ順)
・プログラム
13:30~13:35 趣旨説明 細川孝さん(司会、大学評価学会)
13:35~14:05 基調報告 三輪定宣さん(大学評価学会理事)
14:05~15:35 各分野からの発言
 学生の立場から 全日本学生自治会総連合から(報告者未定)
 高等学校の現場から 小池由美子さん(日本高等学校教職員組合副委員長)
 大学院生の立場から 秋山道宏さん(全国大学院生協議会議長)
 奨学金について 藤井和子さん(日本学生支援機構労組執行委員長)
 貧困と子どもの発達の現状について 民主教育研究所から(報告者未定)
 大学法人経営の課題について 重本直利さん(大学評価学会事務局長)
(休憩、15:35~15:45)
15:45~17:00 討論
17:00~17:10 まとめ
以上

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