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2009年10月23日

国大協、平成22年度国立大学関係予算の確保・充実について(要望)

国大協
 ∟●平成22年度国立大学関係予算の確保・充実について(要望)

平成22年度国立大学関係予算の確保・充実について(要望)

 現在我が国は、極めて深刻な社会経済状況下に置かれています。このようなときに当たり、「国家百年の大計」の根幹をなす教育、特に高等教育・研究の果たす役割の重要性は言を待ちません。
 本協会は、我が国が、この未曾有の危機を克服し、国民の不安を払拭して持続的な発展を図るためには、従来から国立大学が果たしてきた、我が国の知の創造拠点・高度人材育成拠点としての役割(国際競争力の源としてのナショナルセンター機能と、地域社会・経済を支えるリージョナルセンター機能)を更に強化・充実することが不可欠であると考えています。
 しかるに、国立大学の基盤を支える運営費交付金は、「骨太方針2006」により、対前年度比1%の削減が続けられ、過去5年間で720億円(率にして5.8%)の削減が行われました。国立大学の教育研究活動を支える施設・設備についても、施設整備費補助金等の削減により、その老朽・狭隘化が著しく進んでいます。とりわけ、毎年度当初予算は減少しており、補正予算において緊急を要する整備に対応してきているものの、計画的かつ十分な施設整備を行うことができていません。
 各法人ではそれぞれ懸命の努力により対応しているものの、このままでは、遠からず教育の質を保つことは難しくなり、学問分野を問わず、基礎研究や萌芽的な研究の芽を潰すだけでなく、地域医療の最後の砦としての機能や一部国立大学の経営が破綻するなど、我が国の高等教育・研究の基盤が根底から崩壊し、回復不可能な事態に立ち至ることが危惧されます。
 また、経済危機により、大学への進学や修学に向けた学生・保護者の不安は深刻の度を増してきています。国際比較の観点からも、日本の学生に対する経済的支援は極めて貧弱であり、逆に家計による負担は重く、教育の機会均等は大きく脅かされています。
 資源の少ない我が国にとって、優れた高等教育を受けた将来を担う人材は、国力の源泉です。OECD諸国をはじめ諸外国が大学等に重点投資を行い、優秀な人材を惹きつけ、育成しようとしている中で、ひとり我が国だけが投資の削減を続けていては、国際的な競争に打ち勝つことは困難であるのみならず、将来にわたって日本の国力が衰微していく懸念を強く持つところです。現在でも大学等への公財政支出が対GDP比でOECD加盟国中最下位であることは、周知の事実です。
 つきましては、運営費交付金の削減方針を直ちに撤廃するなど、別紙の事項について、要望いたします。
 貴職におかれましては、第2期中期目標期間を迎える平成22年度の予算編成に向けて、国立大学関係予算の確保・充実について、ご理解をいただき、格段のご尽力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。


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