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2009年12月01日

国大協、「大学界との「対話」と大学予算の「充実」を-平成22年度予算編成に関する緊急アピール-」

国大協
 ∟●大学界との「対話」と大学予算の「充実」を-平成22年度予算編成に関する緊急アピール-

平成21年11月26日
国立大学協会

大学界との「対話」と大学予算の「充実」を
-平成22年度予算編成に関する緊急アピール-

 平成22年度予算について、本協会は、去る10月13日に政府への要望を行ったとこですが(「平成22年度国立大学関係予算の確保・充実について(要望)」)、その直後に明らかになった概算要求の内容や予算編成に関する動向、行政刷新会議の下で行われているこれまでの事業仕分けの結果に接し、ここに、下記の点について緊急のアピールを行います。

1 大学予算の縮減は、国の知的基盤、発展の礎を崩壊させます。
 これまで大学予算は削減を迫られてきましたが、平成22年度概算要求においても、多くの事業が厳しく抑制されています。社会的な問題となっている医師不足解消のための医師養成や大学病院の機能強化、大学奨学金等の充実といった重要課題については、「事項要求」という位置付けに止められています。万一、このような状況を踏まえた適切な対応がなされないならば、これまで大学が国民からの負託に応えるために行ってきた様々な取組の継続は困難となり、大学改革は頓挫してしまいます。その影響は、日本の未来を担う若者に対し、直接に及ぶことになるだけでなく、日本国民の市民生活を支える国力基盤の弱体化につながることになります。
 かねて、公財政支出の対GDP比、政府支出に占める投資額の割合などの指標を通じ、日本の大学関係予算の貧しさはつとに指摘されてきました。私たち大学関係者は、先進諸国中最低レベルの公的投資の水準や家計における重い教育費負担といった問題の是正を訴え続けてまいりました。総理は、所信表明演説の中で、「コンクリートから人へ」の投資の転換を強調し、「すべての意志ある人が質の高い教育を受けられる国を目指していこう」という意思を示されました。「「架け橋」としての日本」という国づくりについても、資源小国であるわが国にとって国力の基盤は何よりも「知」と「技」にありますから、国家の知的基盤である大学の教育研究の振興を抜きには考えられません。その言葉の実行のためにも、事業内容の必要な精査は行いつつも、大学に対する公的投資の拡充に向け、政治のリーダーシップを強く発揮されることを切に望みます。……


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