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2009年12月17日

長崎大学長、緊急アピール「国立大学と科学技術予算に対するご理解をお願いします」

長崎大
 ∟●国立大学と科学技術予算に対するご理解をお願いします(緊急アピール)

国立大学と科学技術予算に対するご理解をお願いします(緊急アピール)

 行政刷新会議による事業仕分けは,税金の使いみちをガラス張りの中で議論するという画期的な試みでしたが,同時に大きな議論を呼びました。画期的であるからこそ,仕分けの在り方については今後厳密に検証し,改善してゆく必要があると思います。
 今回の事業仕分けの中で,学術・科学技術関連予算が大変に苦戦しました。中には問題の多い事業もありましょうし,一部には重複や無駄もあることでしょう。しかしながら,事業の短期的成果や効率の観点のみからの短時間の質疑に基づき,問答無用の大ナタを振るう手法には,教育研究の現場に身を置く者として違和感と戸惑いを禁じえませんでした。学術研究は本来短期的効率論のみでは推し量れない価値を多く有すると思うからです。さらにその大ナタが,国立大学の経常的経費である運営費交付金にまで及ぶに至っては,違和感どころではありません。仕分けどおりの予算が執行されれば,もはや大学=「学術の府」の存亡の危機です。
 国立大学は,国民,とくに地域の皆様のご理解,ご支援に基づき,これまで学術研究や人材育成,社会貢献など大学に本来課せられた役割を果たしてくることができました。とくに長崎大学の基盤はここ長崎にあり,長崎の医療,教育,行政,産業,そして経済の基盤を支える多くの人材を輩出してきました。来年度予算編成作業が大詰めを迎えているこの時機をとらえ,地域の皆様に大学と科学技術予算に対する更なるご理解をお願いすべく,長崎大学長として緊急アピールを発信させていただくことといたしました。……


[新聞ニュース]
事業仕分け、長崎大「存亡の危機」 予算理解求め、緊急アピール
事業仕分けで長崎大緊急アピール 予算削減「厳しい現状理解を」

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