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2010年01月08日

成長戦略策定会議、「新成長戦略(基本方針)」

閣議決定「新成長戦略(基本方針)」について

新成長戦略(基本方針)

1.「新需要創造・リーダーシップ宣言」

(100 年に一度のチャンス)
 私たちは今、長い衰退のトンネルの中にいる。90 年代初頭のバブル崩壊から約20 年、日本の経済は低迷を続けている。成長度合いでは、アジア各国、アメリカを始め欧米諸国にも大きく遅れをとった。経済は閉塞感に見舞われ、国民はかつての自信を失い、将来への漠たる不安に萎縮している。国全体が輝きを失いつつある。

 戦後、日本は奇跡の経済成長を成し遂げた。その背景には、経済大国アメリカという目標があった。国民も企業も、そして政治家、官僚も経済大国を目指すという共通目標に向かって総力を挙げた。その結果が、世界第二位の経済大国の実現だった。しかし、一人当たりGDP でアメリカを追い越した80年代、バブルを迎え、そしてバブルは崩壊した。「坂の上の雲」を夢見て山を登り、その頂きに立った途端、この国は目標を見失った。

 今、私たちの目前には大きな課題が迫っている。金融市場の暴走の結果としての「リーマンショック」は、我が国の産業界、そして一人一人の生活に大きな傷跡を残した。税収が国債発行額を下回り、財政上は65 年前の終戦当時の状況にまで悪化している。そして、急激な速度で少子高齢社会に突入している。

 失敗の本質は何か。それは政治のリーダーシップ、実行力の欠如だ。過去10 年間だけでも、旧政権において10 本を優に越える「戦略」が世に送り出され、実行されないままに葬り去られてきた。その一方で、政官業の癒着構造の中で、対症療法的な対策が続いてきた。

 今、最も必要なのは、日本の将来ビジョンを明確に国民に示した上で国民的合意を形成し、その目標に向かって政策を推し進めることのできる政治的リーダーシップだ。100 年に一度といわれる経済危機の中で、国民は旧来の「しがらみ」を脱ぎ捨て、自らの投票行動で民主党・鳩山政権を選んだ。新政権の誕生は、国民のための経済の実現に向けて舵を切る、100 年に一度のチャンスである。

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