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2010年02月25日

北陸大教授2人解雇問題、2教授が勝訴 地裁、給与支払い命じる

http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20100224ddlk17040543000c.html

 ◇「解雇は権利乱用」
 担当科目がなくなることなどを理由に北陸大(金沢市)から解雇を言い渡された教授2人らが、解雇は無効だとして大学に地位確認などを求めた訴訟の判決が23日、金沢地裁であった。中山誠一裁判長は、原告の訴えを認め、解雇された07年4月以降の給与や賞与の支払いを命じた。大学側は判決を不服として同日、名古屋高裁金沢支部に控訴した。

 訴状によると、解雇されたのはドイツ語科目を担当していた田村光彰教授と、ルート・ライヒェルト教授。大学は04年4月の学部再編に伴い、2人を基礎教育を担当する「教育能力開発センター」に配属。07年2月にはドイツ語科目を廃止したことなどを理由に解雇を通知した。

 金沢地裁は07年8月、2人の地位保全と賃金支払いを命じる仮処分を決定。原告は「担当をドイツ語に限定した合意はなく、解雇の用件も満たしていない」などと同年10月に提訴し、大学は請求棄却を求めていた。

 判決で中山裁判長は「解雇は合理的な理由を欠き、権利の乱用にあたる」とした。合わせて求めた慰謝料については請求の理由がないとして棄却した。

 判決後、田村教授と菅野昭夫弁護士らが会見。菅野弁護士は「ドイツ語をなくす合理性がないことや解雇の違法性が認定され、主張が全面的に認められた」と評価。また、「教育能力開発センターに配属された34人のうち、活発な組合活動を進めていたのは23人。この2人も含まれる」と、大学と組合の対立を指摘した。

 田村教授は「これまで支えてくれた方に感謝したい」と述べた。一方で、大学側が英語と中国語に特化して学ばせるなどと主張したドイツ語科目廃止の理由については「うそをつくなと言いたい」と厳しい表情で語った。

 判決について大学側は「大変遺憾。控訴審では主張に正当性があることを訴えていきたい」と話している。


[同ニュース]
「解雇無効」判決 北陸大2教授訴訟

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