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2010年07月27日

国立大存亡の危機、交付金1000億円減試算 27大学分に相当、節減限界

■「意見広告の会」ニュース488より

東京新聞7月24日(夕刊)

 政府の二〇一一年度予算概算要求をめぐり、八十六の国立大学法人でつくる国立大学協会(会長・浜田純一東大学長)は二十四日までに、運営費交付金の一千億円規模での削減が懸念され、二十七大学が消滅しかねないとの試算をまとめた。「国の知的基盤を破壊する」として、削減対象から外すよう求めている。
 政府は社会保障費の自然増一兆三千億円を容認する一方、国債費を除く歳出を本年度並みの七十一兆円以下に抑える方針。同協会関係者は、運営費交付金が10%前後削減され、一千億円減となることも予想されるとしている。
 同協会によると、日本の高等教育への公的資金は現時点でもOECD(経済協力開発機構)諸国で最下位、交付金は過去六年で計八百三十億円削減され、本年度は一兆一千五百八十五億円だった。企業からの受託研究を増やすなどして対応しているが、研究者からは「成果が出るまで時間のかかる基礎研究が難しくなった」との声が上がる。
 一千億円が削減されれば、小樽商科大の十五億円をはじめ、福島大三十五億円など交付金が少ない大学順に合計すると、二十七大学分に相当するという。実際には各大学の交付金がほぼ一律に削減されると見られる。
 東北大は「教員を四百人解雇するか、五十二万円の授業料を七十五万円に値上げしなければまかなえない額」と分析。五十二億円の交付金を受けた愛知教育大の松田正久学長は「既に教員を削減し、高熱水道費も削った。さらに減らせと言われても難しい」と顔を曇らせた。 


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