2011年12月03日
長崎県立大学懲戒処分事件、長崎地裁 教授が勝訴
祝 勝訴
■バイオラボ破たん:「無断欠勤」認めず 教授が勝訴-地裁判決
県や長崎市が支援したベンチャー企業「バイオラボ」の業務を巡り、停職6月の懲戒処分を受けた元同社長で県立大の久木野憲司教授(53)が県公立大学法人を相手に処分無効などを求めた訴訟の判決が30日、長崎地裁であり、井田宏裁判官は「原告の勤務時間中の兼業従事を知りながら注意、警告しなかった。処分は社会通念上是認できない」として、処分無効と未払い賃金など約815万円の支払いを命じた。法人は控訴する方針。
判決は、同社の設立段階から大学は県と共に久木野教授の兼業従事を全面支援し、後押ししていたと認定。「書面上は勤務時間外での兼業従事許可だった」と認める一方「勤務時間外に社業ができないことは通常人なら容易に理解できる」と指摘した。また、同社が事業を行っていた頃、大学は教員の労働時間の適正な把握、管理をしておらず「実態は裁量労働制と同様の運用だった」と認定した。
久木野教授は03年10月、遺伝子情報で薬を作る「ゲノム創薬」を中国で研究するために同社を設立。08年9月のリーマンショックを受け運営資金が不足し、約9億5000万円の負債を抱え倒産。この間“兼業従事許可”を受けていたが、09年9月、法人から約380日無断欠勤したとして処分された。
久木野教授は「適正な司法判断。私を信じ、支えてくださった方に感謝したい」と語った。
[同ニュース]
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