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2012年03月17日

北海道教育大学不当解雇事件、札幌高裁 解雇無効判決

■朝日新聞(2012年03月17日)

 北海道教育大旭川校(旭川市)の38~42歳の男性准教授3人が学生に対し、教員の立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)をしたとして解雇された問題で、3人が同大を相手に解雇の無効などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。小林正裁判長は、解雇の無効と賃金の支払いを認めた一審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 判決は「原告の指導は、一部の学生に被害を与えたが、多数の学生には一定の成果をもたらした面もある」と指摘。減給や停職を検討することなく、解雇を選択した点について「いささか酷だ。懲戒権や解雇権の乱用だ」と判断した。

 判決によると、3人はアイヌ語の研究プロジェクトに複数の学生を手伝わせて過大な課題を強制し、長時間拘束するなどして勉学を阻害。同大は3人に諭旨解雇を通告したが、退職願を出さなかったため、2009年3月に懲戒解雇にした。

 同大は「主張が認められず大変遺憾だ。対応を検討する」とコメントした。

 原告代理人の三森敏明弁護士は「大学側は上告をしないで、3人の職場復帰の態勢を直ちに整えてほしい」と話した。

北海道教育大のアカハラ訴訟、大学側控訴を棄却

■読売新聞(2012年3月16日)

 学生に対する立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)を理由に、勤務先の北海道教育大旭川校(北海道旭川市)を懲戒解雇されたのは不当だとして、元准教授の男性3人が同大に対し、地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。

 小林正裁判長は、3人の准教授としての地位を認め、同大に対して解雇後から現在までの賃金を支払うよう命じた1審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 3人は、アイヌ語関連の研究を学生に手伝わせて過重なノルマを課し、不当な学生指導を行ったなどとして、2009年3月に大学に懲戒解雇されていた。

 1審では「原告らの行為はハラスメントに該当するが、懲戒解雇に相当するような重大な行為とは言えない」と認定。大学側は「処分は学内規則に基づき、調査結果を踏まえた厳格な手続きで行った」と主張し、控訴していた。


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